研究課題/領域番号 |
08457301
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
田村 勝洋 島根医科大学, 医学部, 教授 (80155259)
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研究分担者 |
長見 晴彦 島根医科大学, 医学部, 助手 (50180518)
仁尾 義則 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20208119)
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キーワード | 膵癌 / 臨床病期 / 癌遺伝子 / 癌遺伝子 / 増殖因子 |
研究概要 |
平成8年度に予定していた実験で、ほぼ予定の成果が得られた. 1.当科において切除した膵癌標本をparaffin包埋し、保存し、これより、切片を作成し、キシレンを用いて脱パラを行い、フェノール抽出法にてゲノムDNAを分離しえた。さらに、各種癌遺伝子および癌抑制遺伝子のプライマーを用いて、RT-PCR法により、これら遺伝子を増幅濃縮後、-80℃にて冷凍保存した。現在、増幅遺伝子に対するprobeを用いて、dot blotting hybridization法やSSPC、またはdirect sequence法などにより、Ki-ras、p53などの癌遺伝子や癌抑制遺伝子の変異を検索中である。 2.膵癌のparaffin包埋標本よりスライドガラス上に切片を作製し、各種の癌遺伝子や癌抑制遺伝子蛋白、また各種の細胞増殖因子に対するモノクローナル抗体を用いてこれらの発現を、strepto-avidin-biotin法により免疫組織染色を行い、現在p53、RB、bcl-2などの癌抑制遺伝子蛋白、TGF-α、EGF、erbB2などの細胞増殖因子とそれらのreceptor、PCNA、Ag-NORsなどの細胞増殖抗原、estrogenやprogensteroneなどのホルモンのreceptorなどの染色を行っている。 現在の段階では、膵癌の予後に関係する因子としては、Ki-ras突然変異のdouble mutation、p53蛋白の発現などが、予後と有意に相関することが判明し、学会、雑誌等に報告している。したがって、今後の解析において、膵癌の予後に関与する因子が出現する可能性が高いものと思われる。
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