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1996 年度 実績報告書

細胞接着因子不活化剤(S-DEX誘導体)による癌性腹膜炎の予防薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08457329
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

萩原 明郎  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90198648)

研究分担者 白数 積雄  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60275211)
高橋 俊雄  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079828)
キーワード細胞接着 / 癌転移 / 癌性腹膜炎 / 予防薬
研究概要

酸性多糖類S-DEX誘導体は細胞の接着能を阻害する働きを有する。今回は、分子量が約50万のS-DEXを選んで、癌細胞の腹膜転移の予防効果を、マウス移植癌B-16メラノーマ細胞をもちいて以下の(1)から(3)の方法で検討した。
(1)プラスチックシャーレの壁への癌細胞の付着をIn Vitroで検討した。0.2%のS-DEXを添加した培養液あるいはS-DEX非添加培養液中で癌細胞を3日間インキュベートした場合、0.2%のS-DEX添加培養液では非添加培養液に比較してフィブロネクチン処理プラスチックへの付着は有意に阻止された。(2)損傷を受けた腹膜面へのB-16細胞の付着をIn Vitroで検討した。マウスの腹壁腹膜を鋏で傷つけておき、速やかにこの部分を切除採取し、シャーレに固定して、38度Cの培養液中に30分間浸しておいた。培養液に予め0.2%のS-DEXを添加しておいた場合には、S-DEXを添加しなかった場合に比較して損傷腹壁面への癌細胞の付着はほとんど認められず、両群間には有意の差異を認めた。(3)マウスの壁側腹膜を手術的に損傷するとこの部位には癌細胞が選択的に付着するので、このモデルを用いてS-DEXの癌細胞着床予防効果をIn Vivoで検討した。1mlの0.2%S-DEXあるいはS-DEX非添加培養液を腹腔内投与して30分後に癌細胞を腹腔内に移植した。癌移植3日後にマウスを屠殺して損傷腹膜面への癌細胞の生着量を比較検討した。0.2%S-DEX投与群では、腹膜損傷部位への生着生癌細胞数はS-DEX非添加培養液投与群に比較して有意に少量であった。
以上の事から、S-DEXは癌の腹膜転移の予防に有効な薬品となりうることが示唆された。今後、この薬剤の安全性と長期安定性について各種のS-DEXに関して検討を行う必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 萩原明於: "細胞接着阻害剤腹腔内投与による癌腹膜転移の予防" 癌と化学療法. 23. 1403-1406 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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