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1997 年度 実績報告書

肝・胆道・膵癌における発生および進展機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08457330
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

中野 博重  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20075071)

研究分担者 久永 倫聖  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30275341)
金廣 裕道  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30204580)
中島 祥介  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00142381)
キーワード肝癌 / p21 / p53 / PCNA / Fas / FasL
研究概要

肝癌切除例86例を対象として、細胞周期関連遺伝子であるp21,p53,PCNAの発現をホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いて免疫染色を行った.非癌部肝組織において、p53発現は認められなかったが、P21およびPCNA発現は様々な頻度で認められ、P21発現とPCNA LIの間には有意な相関が認められた。肝癌におけるp21,p53発現症例は各々61.6%,30.2%であった。癌部における蛋白発現率が20%以上のものを陽性とすると、p21,p53陽性症例は各々10例と20例であった。p21陽性p53陽性例は4例、p21陽性p53陰性例は6例であり、両者の間には相関は認められなかった。p21陽性例ではPCNA LIが33.7と陰性例(PCNA LI=24.3)に比べて高い傾向にあった。しかし腫瘍径は陰性例(3.6cm)に比べて陽性例(2.3cm)で有意に小さかった.また再発率は、P21陽性例で有意に低率であった。さらにp53陰性でかつp21陽性6例は全例31-57ヵ月無再発生存中であった。多変量解析では、p53,p21,im.vp,PCNA LIが独立した再発予測因子であった。以上の結果よりP21,P53,PCNA LIを検討することは、肝癌の再発を予測するうえで有用であると思われた。
また、肝癌切除例35例を対象とし、アポトーシス関連物質であるFas,FasLの発現を凍結切片を用いて検討したところ、非癌部肝組織ではFasの発現は増強しているものが多かったが、肝癌組織ではFas発現が減弱しているものがほとんどであった。またFasLの発現が認められたものの多くは、癌の辺縁で発現しており宿主の免疫機構から癌が逃れる機構の要因になっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 長尾美津男 他 10名: "肝細胞癌におけるMicrosatellite Instabilityの検討" 消化器癌の発生と進展. 9巻. 159-161 (1997)

  • [文献書誌] 大橋一夫 他 9名: "胆道系悪性腫瘍におけるVEGFの発現-浸潤,細胞増殖,K-ras遺伝子との関連について-" 消化器癌の発生と進展. 9巻. 187-189 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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