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1998 年度 実績報告書

肝・胆道・膵癌における発生および進展機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08457330
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

中野 博重  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20075071)

研究分担者 久永 倫聖  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30275341)
金廣 裕道  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30204580)
中島 祥介  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00142381)
キーワード肝癌 / p21 / p53 / PCNA / Fas / FasL
研究概要

切除肝癌38例において,アポトーシス関連物質であるFas,FasLの発現を凍結切片での免疫染色およびRT-PCRにより検討し,宿主免疫反応からの回避機構が肝癌の発生・進展におよぼす影響について,臨床病理学的因子との関連を検討した.in vitroではp53がFasの誘導因子であるとされているが,肝癌においてもp53がFasの誘導因子であるかを検討した.肝癌でのFas,FasLの陽性例は,各11例,18例であり,両者の発現には逆相関を認めた(p<0.05).TUNEL法によりアポトーシスを検討したところ,Fas陽性例でアポトーシスが多く見られた(p<0.01).肝内転移については,imは7例に認められ,全例Fas陰性であった(p<0.1).再発率では,Fas陽性例で再発率は低く(p<0.05),FasL陽性例で高い傾向にあった(p<0.1).p53とFas発現では,逆相関を認めた(p<0.01)が,両者ともに陰性も14例に認めた.健康人に比べ肝癌患者で血中sFasは高く(p<0.01)、sFasLは低値(P<0.05)を示したが,ともに臨床病理学的因子や肝癌でのFas,FasL発現との間には相関はなかった.RT-PCR,ELISA,免疫染色の結果より,肝癌細胞より浸潤リンパ球・非癌部肝組織がsFasを産生しているものと思われた.従って,肝癌はFas発現を減弱させるとともに,周囲組織にsFasを産生させることにより宿主の免疫機構より逃れているものと考えられた.特に,肝癌細胞は,Fas発現減弱によりFasL陽性の浸潤リンパ球によるアポトーシスシグナルから逃れ,肝内転移するものと思われた.また,Fasの発現にはp53活性が重要であるが,他の因子がさらに関与していると思われ,この因子の解明が今後の重要課題であると思われた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 長尾 美津男他10名: "肝細胞癌におけるMicrosatellite Instabilityの検討" 消化器癌の発生と進展. 9巻. 159-161 (1997)

  • [文献書誌] 大橋一夫他9名: "胆道系悪性腫瘍におけるVEGFの発現-浸潤,細胞増殖,K-ras遺伝子との関連について-" 消化器癌の発生と進展. 9巻. 187-189 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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