研究概要 |
1. C.albicansによる腹腔内感染モデルの開発 BALB/c系マウスを全身麻酔下に左側腹部で開腹し,脾摘を行って腹腔内に出血をもたらし,脾摘後の腹腔内死腔にC.albicans 1×10^6cells(100μl)を接種して,一旦閉腹する方法で,4,7,14日後のいずれの時期にも膵尾部の脾摘断端部に組織の集塊と一定した生菌が検出でき,病理学的にもPAS染色陽性のC.albicansが菌糸を伸ばし,組織に定着しているのが確認でき,C.albicansによる腹腔内感染モデルが世界で初めて開発できた. 2. C.albicans腹腔内感染モデルにおけるAMPH包含リピッドマイクロスフェアーの薬理学効果と体内動態 1) AMPH包含リピッドマイクロスフェアーのAMPH濃度が1,4,8mg/kgとなるよう各薬剤を調製して,菌接種1,4日後にマウス尾静脈より緩徐に投与し,菌接種7日後に再開腹して治療効果を比較した結果,C.albicans感染8日後の腹腔内生菌細胞数は,AMPH包含リピッドマイクロスフニアー8mg/kg投与群で無治療群と比較して,有意に減少させることができた.2) AMPH包含リピッドマイクロスフェアーを単回静脈内投与後の血中AMPH濃度は,Fungizone^Rに比べて,低値を持続し,各組織内のAMPH濃度は,肝や脾に多く分布し,脂肪乳剤に似たDDSとしての体内分布を示すことが判明した.
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