研究課題/領域番号 |
08457336
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
岡本 英三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50068425)
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研究分担者 |
土生 秀作 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00258154)
竹内 雅春 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00258162)
中井 謙之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50198024)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90199373)
豊坂 昭弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20068498)
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キーワード | HVJ リポソーム / 消化官 / サイトカイン / 炎消性腸疾患 / HGF |
研究概要 |
Hemmgglutinating Virus of Japan(HVJ)-lipome法はHVJの膜融合能を利用した遺伝子導入法であり、本研究はこの方法を動物モデルに用い生体での消化管への遺伝子導入法を確立するとともに、消化管難治性疾患に対する新しい治療法としての遺伝子治療の可能性について基礎的研究を行った。 我々はまず、HVJ-liposome法による正常ラット消化管組織での遺伝子導入及び発現形態について検討した。HVJ-liposomeを作製しFITCでラベルしたオリゴデオキシヌクレオチド(FITC-ODN)及び情報遺伝子としてβ-ガラクトシダーゼ(β-gal)遺伝子を用い成熟ラット消化管へ導入した。導入経路は、経直腸及び経腸間膜動脈の2経路を用いた。経直腸には遺伝子導入に先駆けプロナーゼによる前処置を行い粘液除去を行った。経腸間膜にはHVJの膜融合能を高める為流入路、流出路ともに遮断した。我々の行った導入法では、2経路とも導入された遺伝子は消化管上皮細胞ではなく、粘膜固有層及び筋層で発現することを確認した。 次に、我々は炎症性腸疾患(IBD)を対象とし、マウスを用い2,4,6-trinitrobenzen sulfonic acid(TNB)を使った慢性の腸炎モデル(IBDモデル)を作製した。導入に先駆け遺伝子治療の対象となるべきサイトカイ(IL-12、IL-18、INF-γ、TNF-α)の発現を解析し、またIL-18中和抗体やノックアウトマウスを用い腸炎の発生機序について検討した。本腸炎モデルでは、INF-γ、TNF-αが関与することがわっかた。さらに、このモデルに対しヒトHGF遺伝子を導入し腸炎抑制効果を認めた。このメカニズムに関してはHGFが腸上皮再生を促進し、又浸潤リンパ球に対して抗炎症効果を発揮していることが解った。又、放射線腸炎に対しても同様に遺伝子治療を施行しIBDモギルと同様にHGF遺伝子治療が奏効した。
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