研究課題/領域番号 |
08457340
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田林 晄一 東北大学, 医学部, 教授 (90142942)
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研究分担者 |
吉田 出 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70292323)
貞弘 光章 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80250778)
松本 健郎 東北大学, 工学部, 助教授 (30209639)
佐藤 正明 東北大学, 工学部, 教授 (30111371)
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キーワード | ラプラスの式 / 大動脈の局所応力 / 応力集中 / 円周方向のひずみ |
研究概要 |
第17回日本画像医学学会、第27回日本心臓血管外科学会で、本研究に関し以下の論旨で発表した。 1)大動脈の局所応力をラプラスの式δ=P×R/h(P=血圧、R=大動脈径、h=大動脈壁厚)より求めた。血圧は、上腕動脈で代用し、壁厚はMRI装置を用いて求めた。この壁厚(h)の計測にあたってMRI画像の精度について実験的に検討した。用いたMRI装置は、SIEMENS Medvision(1.5Tesla)で、正常大動脈及び動脈瘤標本をMEM培養液の中にアクリルで作ったPhantomに固定し、標本の入ったMEM培養パックの外欄に、エンドレクタルコイルを装着し、T1強調画像、T2強調画像、プロトン密度強調画像、インバーションリカバリー法の4つのシークエンスで撮影した。得られた4方法のMRI画像と病理組織所見とを比較検討したところ、T2強調画像、プロトン密度強調画像で、最も血管の3層構造が明らかで壁厚も正しく測定でき、また、内膜、中膜の性状も把握可能であった。この結果より、T2強調画像、プロトン密度強調画像を用いることで体表面コイルアプローチから、大動脈の壁厚は計測可能であり、ラプラスの式より、大動脈の局所応力の測定が可能であることが判明した。 2)MRI装置を使用し、心電図同期Taggingを行い、大動脈壁運動を観察した。Parasagital像のTaggingより大動脈全体の動きを把握した。正常人では、遠位弓部での収縮期外側運動、横隔膜近傍での振り子様運動を認めた。 a)大動脈接線方向にScanし、大動脈横断面にTaggingし、円周方向のひずみを評価するため ε=(大動脈壁の2点(タグの格子の点)の収縮期・拡張期の差)/(拡張期の断面積)を求めた。遠位弓部の外側及び小弯側、下行大動脈、横隔膜近傍の前壁のひずみは他部位に比べ、有意に大きく、3〜4倍の応力集中が起きていることが分かった。
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