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1997 年度 実績報告書

中枢神経損傷の対する機能回復-神経細胞接着分子L1による細胞療法を用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 08457362
研究機関大阪大学

研究代表者

有田 憲生  大阪大学, 医学部, 講師 (80159508)

研究分担者 森 憲作  理化学研究所, フロンティア研究システム・ニューロン機能研究グループ, ディレクター
大西 丘倫  大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
泉本 修一  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
キーワード神経細胞接着分子 / 中枢神経損傷 / 神経再生 / L1 / 細胞療法 / 視神経
研究概要

初年度に作成したラット視神経損傷モデルに対して、当初より計画したように(1)L1発現細胞局所投与群、(2)L1発現細胞局所およびVitamin B12副腔内継続投与群、(3)Vitamin B12継続投与群に分け治療実験を行った。その結果、(1)L1発現細胞の局所投与のみでVisual evoked potential(VEP)の回復が確認でき、視神経の再生が不可能ではないことがわかったが、それに(2)Vitamin B12をあわせて継続投与するとVEP波形の伝動速度は不変ながら、若干、VEP波形の振幅が増加した。(3)Vitamin B12のみの継続投与では電気生理学てきには神経機能の回復は認められなかった。すなわちL1のみで視神経損傷の再生は可能であるがVitamin B12投与によりL1によって回復する神経軸索が若干増加することが示唆された。その治療実験の組織学的評価としてTetramethyl benzidine(TMB)を投与、軸索を移送されるTMBを暗視野コンデンサシステムにより検出する実験法を実施計画どうり確立し、L1投与群で神経損傷部位を越えてTMBが軸索中を移送されていることを認めた。しかしながら、あわせてVitamin B12を継続投与した群との差はみとめられず、Vitamin B12継続投与による神経再生実験への影響は本実験法では確認できなかった。その結果に基づき、次年度は主にL1、GFAP、Neurofilament、反応性アストログリアなどを認識する抗体を使用して免疫組織化学的検討を行い、神経再生部位に限局した組織変化、再生を阻害する因子などを同定し、神経再生におけるより有効な局所条件を解明する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Izumoto S: "Gene expression of neural cell adhesion molecule L1 in maligant gliomas and biological ; significance of L1 in glioma invasion." Cancer Research. 56. 1440-1444 (1996)

  • [文献書誌] Izumoto S: "A new mutaiton of the L1CAM gene in an X-linked hydrocephalus family." Child's Nervous System. 12. 742-747 (1996)

  • [文献書誌] Hiraga S: "Establishment of spontaneously immortalized rat type 1 astroglial cell lines : the role of p53 in astroglial carcinogenesis." Glia. 18. 185-199 (1996)

  • [文献書誌] Izumoto,S: "Microsatellite instability and mutated type II transforming growth factor-β receptor gene in gliomas." Cancer Letters. 122. 251-256 (1997)

  • [文献書誌] Ohnishi T: "Fibronectin-mediated cell migration promotes glioma cell invasion through chemokinetic activity." Clinical and Experimental Metastasis. 15. 538-546 (1997)

  • [文献書誌] Tsuzuki T: "Neural cell adhesion molecule L1 in gliomas : correlation with TGF-β and p53." Journal of Clinical Pathology. 51. 13-17 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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