正常圧水頭症7例(平均66歳)を対象とし、CT、MRI、CTC、脳血流検査について検討した。全例でV-Pシャントを行い、5例で症状の改善を認めた。脳室拡大が高度で脳室周囲白質、前頭葉大脳皮質の血流が低下し、ICPモニタリングで異常圧波の出現が高率であったものに手術治療が有効な傾向があった。 正常圧水頭症14例(平均74.8歳)を対象としてシャント前後での大脳高次機能の評価を行った。手術適応の判定基準を、1)NPHのtriasを2つ以上認める、2)CTにて脳室拡大を認める、3)CTCでIIIb〜Vである、4)ICPモニタリングでB波が35%以上出現する、5)手術・全麻のリスクが高くない、これら5つとして全例でシャントを行った。シャントの効果は著効4例、やや有効4例、不変4例、悪化2例であった。 水頭症124例(平均35.5歳)を対象とした研究を行った。初回のV-Pシャントを行ったものは45例、シャント再建術を行ったものは49例であった。術前のCTCやICPモニタリングで手術適応が明らかに示されなかった症例でも高率で術後症状の改善を認めた。水頭症の診断、シャントの適応においてはCTCやICPモニタリングなどの検査ととともに、臨床経過を注意深く観察することが重要である
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