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1997 年度 実績報告書

グリオーマにおけるテロメレース活性およびテロメア長の臨床応用への検討

研究課題

研究課題/領域番号 08457366
研究機関鳥取大学

研究代表者

押村 光雄  鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)

研究分担者 紙谷 秀規  鳥取大学, 医学部, 助手 (70194967)
堀 智勝  鳥取大学, 医学部, 教授 (60010443)
キーワードグリオーマ / テロメレース / テロメア / 診断 / FISH
研究概要

テロメアは染色体末端に存在する繰り返し配列である。正常細胞にはテロメアを維持する機構が存在しないため細胞分裂にともないテロメアが短縮していき、染色体の不安定性が増して細胞死をきたすと考えられている。一般に、がん細胞ではテロメア配列に結合してこれを伸長する酵素であるテロメレース活性が認められる。しかし、中枢神経腫瘍に関するテロメア長、テロメレース活性をまとめた報告は少ない。昨年度と同様に,グリオーマにおけるテロメア長、テロメレース活性を同時に測定することにより、その実体を明らかにし、また,静止核におけるFISH法による解析を行い,腫瘍マーカーとしての可能性を追究した。
昨年度は26人,本年度は24人の患者より採取した様々な組織学的分類のグリオーマにおけるテロメア長とテロメレース活性を検索した。この結果、グリオブラストーマにおいて強いテロメレース活性が認められ、この際テロメア長は正常組織と同等かそれ以下であった。また、同一患者から異なる時期に採取した検体について、がん進展に伴いテロメア長及びテロメレース活性の変化を検討した。この結果、テロメレース活性が発現する際にテロメア長が短小化しているという相関が示唆された。さらに30%の検体において著しく長いテロメアが確認され、これらすべての検体においてテロメレース活性は陰性であり、ほとんどのものが組織学的分類ではアストロサイトーマグレード(A3)であった。また,テロメアプローブによるFISH法を用い,静止核及びパラフィン標本において,テロメア長の長いグループと短いグループの同定を試みた。その結果,FISH法を用いればテロメア陰性のグループを同定でき,今後はパラフィン標本を用い臨床応用が可能であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Oshimura,M. and Barrett,J.C.: "Multiple pathways to cellular senescence : Role of telomerase repressors" Euro.J.Cancer. 33. 710-715 (1997)

  • [文献書誌] Okayasu,I., Osakabe,T., Fujiwara,M.et al.: "Significant correlation of telomerase activity in thyroid papillary carcinomas with cell differentiation ,proliferation and extrathyroidal extension" Jpn.J.Cancer Res.88. 965-970 (1997)

  • [文献書誌] Takahashi,C., Miyagawa,I., Kumano,S.et al.: "Detection of telomerase activity in prostate cancer by needle biopsy" Euro.Urol.32. 494-498 (1997)

  • [文献書誌] Katoh,M., Katoh,M., Kameyama,M.et al.: "A repressor function for telomerase activity in telomerase-negative immortal cells" Mol.Carcinogen.21. 17-25 (1998)

  • [文献書誌] Uejima,H., Shinohara,T., Nakayama,Y.et al.: "Mapping a novel oellylar senesoence gene to human chromosome 2q37 via irradiation microcell-mediated chromosome transfer" Mol.Carcinogen.(in press).

  • [文献書誌] Tanaka,H., Shimizu,M., Horikawa,I.et al.: "Evidence for a putative telomerase repressor gene on the 3p14.2-p21.1 region" Genes,Chrom.& Cancer. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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