研究課題/領域番号 |
08457373
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
原 充弘 杏林大学, 医学部, 教授 (30086607)
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研究分担者 |
齋藤 勇 杏林大学, 医学部, 教授 (20186927)
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 講師 (80135912)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / レーザー / 温熱療法 / 光化学療法 / 定位的 / 実験 |
研究概要 |
脳深部に発生した小さな悪性脳腫瘍に対する定位的レーザー温熱療法と、新光化学療法の併用を確立するため,平成9年度は以下の実験を行った。 レーザー温熱療法での凝固層の広がりは、扇形にプローブより10mmの範囲になることが判ったが、これを越えると腫瘍組織が散在する。この治療法後に行う光化学療法としてエキシマ ダイ レーザーを用いた。また、治療効果は日本白色家兎脳腫瘍モデルを作製して検討した。全麻下の日本白色家兎(82羽)を用い、腫瘍細胞浮遊液(5×10^6個/ml)80〜100μを家兎の前頭葉に移植し、術後10〜12日目にMRIで、脳腫瘍の発生を確認した。その後、増感剤(フェオフォーバイド)を静注(4mg/Kg)し、暗室にて飼育後2日目にエキシマ ダイ レーザー(浜松フォトニクスK.K.)のプローブ(600μ)を用いて150J(波長630nm、パルス周波数40Hz、パルスエネルギー4mJ)を経皮的に照射し、術後、1、2、4、6日目にそれぞれ薬殺、組織検索を行った。4日目の剖検脳では照射直下の軟膜及び皮質に損傷はない。しかし皮質下に広がった腫瘍組織は、照射部より12mmの深さで凝固・壊死に変化していた。しかし12mmを越えると残存腫瘍が見られる。 以上より直径10mm以下の腫瘍では定位的レーザー温熱療法とエキシマ ダイ レーザー療法の併用で確実に治療出来ることが判った。 今後それぞれの照射条件の設定及びエキシマ ダイ レーザーによる静脈血栓の予防、無侵襲的組織温度の測定法が解決されれば臨床応用出来る。
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