研究課題/領域番号 |
08457381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60210762)
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研究分担者 |
水尾 弘司 東京大学, 医学部附属病院, 医員
浅谷 倫代 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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キーワード | 脱神経 / ミオシン / 筋 / 筋衛星細胞 / アポトーシス |
研究概要 |
Wistarラットの薄筋を脱神経後、経時的に(胎児型、遅筋型、速筋型)、MyoD、デスミン、NCAM、ジストロフィンのそれぞれモノクロナール抗体によって免疫染色することのよって修復過程を解析した。さらにミオシンH鎖をピロリン酸電気泳動法で、アポトーシスをDNA末端標識法、ELISAさらにアガロースゲル電気泳動法にて解析した。また、を用いて筋衛星細胞を観察した。 脱神経後、胎児型ミオシンがピロリン酸電気泳動法で確認され、特に脱神経後2〜4週にて最も多く認められた。免疫組織染色においても、胎児型ミオシンが活性化筋衛星細胞といくつかの脱神経線維において認められた。MyoDも一部の活性化筋衛星細胞で発現していた。TUNEL法およびELISA法においてはapoptosisに見られる核のDNA断片化が認められたが、おそらく微量であるためアガロースゲル電気泳動法では検出されなかった。透過型電気顕微鏡では、既存の脱神経線維に融合する活性化筋衛星細胞が認められた。こうした結果は、筋線維核のapoptosisを確定するものではないが、脱神経後の筋核の減少のメカニズムを示唆するものである。すなわち、脱神経後に多くの核にアポトーシスが起りその変化を受けて近傍の筋衛生細胞が分裂増殖するとともにその一部は活性化され胎児型ミオシンを発現するようになり、やがてアポトーシスが起っている細胞に融合し修復しようと試みる。結果的に核は少しずつ筋衛生細胞からのものと置き換えられた核も神経支配がある一定期間得られないと同様にアポトーシス様のDNAの断片化がみられるようになり、再び同様の修復過程のサイクルが始まり、これを繰り返しながら筋細胞は萎縮していく。
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