研究概要 |
looseningの生じにくい人工膝関節の開発について、本年度は昨年度に解析を行った2種類のデザインの脛骨コンポーネント(central stemtype ; type1, keel type ; type2)に新たな2種類のデザインのを追加し、新しく導入した衝撃解析用ソプトDYNA3Dを用いて、衝撃荷重条件下の数値解析を行った。追加したデザインは梁状に設計したキ-ルを3方向に皮質骨まで延ばしmetal trayと皮質骨を接触させた形状(type3)とmetal trayの辺縁に皮質骨にかかる3つのペグを有する形状(type4)で、いずれもmetal trayと皮質骨との接合により強固な固定性を持たせ、応力や変形を軽減する効果を期待して作成した。解析は応力分布および相対変位、(micromotion)について解析を行った。応力解析では、 その分布は各タイプ間で大きな差はなかったが、最大応力の比較ではtype3,typre4が最大値を抑える傾向がみられ、相対変位の解析ではtype3次いでtypr e4deで最大変位が軽減されていた。今後はmetal-bone interfaceの拘束条件や実際の臨床上問題となる荷重の偏りの影響を考慮して研究を進めていく予定である。また、前述の研究(弾性体の解析)と平行して、粘弾性特性を考慮した有限要素法の開発を行った。まず第一段階として、3要素粘弾性モデルを弾性要素とVolgt粘弾性要素の直列結合と定義し、2次元軸対称膝関節モデルを作成し、衝撃荷重条件下に粘弾性解析および弾性解析を行い、経時的な脛骨内部の応力について比較検討を行った。結果、粘弾性解析では脛骨内部のある部位においては応力の振幅が指数関数的に減衰し、弾性解析と違った結果となった。今後は3次元での解析に発展させていく予定である。
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