研究課題/領域番号 |
08457389
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学部, 助教授 (70170115)
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研究分担者 |
河村 庄造 神戸大学, 工学部, 助教授 (00204777)
野田 光昭 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (30291454)
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キーワード | 膝関節 / 人工関節 / 有限要素法 / 衝撃荷重 |
研究概要 |
前年度までに、人工膝関節で緩みが多く発生する脛骨コンポーネントの形状評価について、応力分布やstemの中心を基準点としたtrayの相対変位による評価を行なってきた。本年度はさらに、looseningの発生につながるmicromotionの立場から、新たなmicromotionの評価法を定義し、粘弾性を考慮した衝撃解析が可能な解析用ソフトLS-DYNA3Dによる有限要素解析を行った。micromotionの評価法として、3次元膝関節モデルにおいて脛骨コンポーネントと骨の界面を接触面として扱い、衝撃荷重負荷前の初期状態ではコンポーネント側の節点に対し同じ座標の骨側の節点を設定した。これらの節点は衝撃荷重負荷後、その材料特性の相違から生じる変形に対応して相対変位を生じることになり、この相対変位をmicromotionと定義した。検討に用いた脛骨コンポーネントの形状は、central stem type,long stemtype、short stem type、two-keel type、three-keel type、thick traytypeの6種類で、それぞれについてmicromotionの平均値、時刻歴応答に対する形状の影響を検討し、さらに荷重に対するコンポーネントの安定性の評価関数を定め最適形状の評価を行った。各タイプ間の比較からステムの長さについてlong stem typeがmicromotionを抑制する傾向が認められたが、trayの厚さやkeelにはmicromotionを抑制する効果はほとんど認められなかった。また評価関数による評価でも同様の結果となった。以上衝撃吸収という観点から見た人工膝関節の形状評価には種々の要因が関与しており、総合的な評価が重要である。
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