研究課題/領域番号 |
08457393
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高木 克公 熊本大学, 医学部, 教授 (70040219)
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研究分担者 |
井出 淳二 熊本大学, 医学部, 助手 (10253725)
山鹿 眞紀夫 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (90145318)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 骨格筋 / 虚血再潅流障害 / 保存 / EPC-K1 |
研究概要 |
【目的】強力なHO・scavengerで、臨床応用が期待されているEPC-K1の骨格筋に対する効果を検討した。 【実験1】虚血再潅流障害に対するEPC-K1の効果 Lewis系雄ラットの大腿中央部を大腿動静脈のみ残して切断し、血管クリップで4時間阻血した。阻血30分前にEPC-K1を10ml/kg尾静脈より投与したEPC群と生理食塩水を投与した対照群を作製した。24時間再潅流後、両側腓腹筋の筋収縮力を比較検討したところ、EPC群では健側の73%に維持されていたのに対して対照群は33%だった。また腓腹筋の湿乾燥重量比、過酸化脂質量、静脈血清のCPK・LDH・GOT-mを測定したところ、EPC群では対照群に対して筋浮腫、脂質過酸化および筋障害が有意差をもって抑制され、腓腹筋の組織学的検討においてもEPC群の障害程度は軽度であった。 【実験2】複合組織移植の保存におけるEPC-K1の効果 Lewis系雄ラットの大腿中央部で切断した後肢を直ちに4℃のEuro-Collins液に浸漬した。一定時間(9、12、24時間)冷保存後、ヘパリン生理食塩水で潅流して同系ラットに移植した対照群と、保存液および潅流液にそれぞれEPC-K1を10mg/l加えて同様に移植した実験群を作製し、正常群とそれぞれを比較検討した。移植24時間後、過酸化脂質量と筋浮腫は正常群に対して有意に高値を呈したが、9時間保存群では腓腹筋ATPは正常群と有意差なく、組織学的にも比較的正常に近い形態が保たれていた。対照群と実験群との比較ではいずれの検討項目も有意差なかった。 【結語】虚血再潅流障害モデルにおいてEPC-K1を投与した群は、虚血再潅流による筋障害が有意に抑制され、筋機能が維持された。複合組織移植モデルの冷保存実験で骨格筋のviabilityは9時間まで維持できたが、EPC-K1を保存液と潅流液に用いても有効性は見られなかった。
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