研究概要 |
【目的】運動神経の選択的再生能の証明と選択的再生能を発揮する至適距離の決定 <方法>神経断端間隙が2mmと4mmの群を作成し、両群とも右側は遠位神経断端を回旋しないように縫合し(非回旋群)と左側は180°回旋し(回旋群)てシリコンチューブに縫合した。術後4、8、16、24、36、48週において9頭ずつを屠殺し、遠位運動枝および知覚枝内への再生運動神経の酵素活性(choline acetyltransferase(以下CAT)活性)を測定した。さらに運動神経軸索染色を行うことにより選択的再生能を評価し、神経再生能を発揮する至適距離を決定する。 <結果>神経断端間隙2mm郡のCAT活性は、非回旋群では縫合後4,8,16,24週で、回旋群では術後8週で運動枝の方が知覚枝のCAT活性値に比べ有意に高値を示した。神経断端間隙4mm群のCAT活性は、非回旋群では縫合後4,8,16,24,36週で、回旋群では術後8,16,36週で運動枝の方が知覚枝のCAT活性値に比べ有意に高値を示した。回旋群で神経断端間隙4mm群の方が間隙2mm群よりも有意差を認めた週数が多いことから間隙を4mmした方が再生運動神経が選択的に運動枝に再生する可能性がある。神経断端間隙2mm群の運動神経軸索染色による運動枝・知覚枝内の再生運動神経軸索数は非回旋群および回旋群の運動枝・知覚枝間で有意差はなかった。運動神経軸索数、軸索径、ミエリン径の測定は現在測定中である。
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