研究概要 |
変形性膝関節症に対して高位脛骨骨切り術を施行し、約2年後に内固定を抜去(抜釘)した73症例89膝について骨切り術時、抜釘時に関節軟骨を観察し、変性した軟骨をGrade分類し、再生した軟骨をStage分類した。変性軟骨は、Grade0(正常),Grade1(黄色変性),Grade2(不整と軟化),Grade3(線維化と磨耗),Grade4-a(びらん),Grade4-b(骨露出を伴う潰傷),Grade4-c(象牙化),Grade5-a(骨破壊:深さ5mm未満),Grade5-b(骨破壊:深さ5mm以上)に分けられ、再生軟骨は、Stage0(再生なし),Stage1(ピンク色と黄色のフィブリレーション),Stage2(島状のフィブリレーション),Stage3(白色のフィブリレーションの部分的被覆),Stage4(白色線維軟骨の過成長),Stage5(白色線維軟骨の平滑化)に分けられた。 また、再生軟骨の一部を抜釘時に採取した28検体について組織学的、免疫組織化学的検索を行った。浅層には軟骨表面に平行に走行する紡錐形の細胞周囲がTypeI coll-agen陽性の線維軟骨様細胞が24例で、中間層から深層には円形で柱状構造を持つサフラニン-0に細胞間基質が染まり、細胞周囲がTypeII collagen陽性の硝子軟骨様細胞が21例でみられた。 更に、10例について、IGF-1のmRNAの再生軟骨における発現を調べたところ、表層に多く分布しているのがみられた。
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