研究概要 |
ウシガエル(Rena catesbiana)の心房を摘出し酵素(コラゲナーゼ,トリプシン)処理することによって単離細胞を分離した。心筋単一細胞の膜容量はパッチクランプ法によって膜容量電流として計測し,全身麻酔薬(チオペンタール、ハロセン)の影響を検討した。保持電流を-90mVとして200msec,-20mVの過分極パルスを与えるとI_<K1>電流に先行して膜容量電流(150〜300pA)が測定される。チオペンタール(10^<-6,>,10^<-5>M)はこの膜容量電流を増大させた(10^<-6>M:約10%,10^<-5>M:約20%)。さらに,ハロセン(2%)は膜容量電流を著名に増大させた(約40%)。また,ガラス管微小電極法により過分極パルスを加え,C_m=τ/R_mより膜容量を求めたが,チオペンタール,プロポフォール,およびハロセンともに膜容量を増大させた。以上の成績から,静脈麻酔薬,吸入麻酔薬ともに膜容量を増大させ,膜流動化を起こすことが示唆された。
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