研究課題/領域番号 |
08457403
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
伊藤 祐輔 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70018307)
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研究分担者 |
百瀬 弥寿徳 東邦大学, 薬学部, 教授 (50020813)
畠山 登 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (70251907)
渋谷 伸子 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40178926)
広田 弘毅 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (30218854)
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キーワード | 全身麻酔薬 / 細胞膜 / 吸入麻酔薬 / 静脈麻酔薬 / イオンチャネル |
研究概要 |
全身麻酔薬の細胞膜に対する作用を明かにするために、全身麻酔薬適用下での細胞膜容量の変化を観察した。吸入麻酔薬であるハロセン・セボフルランおよびイソフルランは膜容量を増加させる傾向が見られた。また、静脈麻酔薬であるチオペンタールは膜容量に対しての明らかな影響は見られなかったが、同じ静脈麻酔薬であるプロポフォールは膜容量を増大させる傾向が見られた。 一方、全身麻酔薬は吸入麻酔薬・静脈麻酔薬ともにL型電位依存性カルシウムチャネルの活性化を抑制した。しかしながら、その抑制効果は薬剤間で差異が見られた。また、静脈麻酔薬に関してチオペンタールはL型電位依存性カルシウムチャネルに対して使用頻度依存性の抑制効果が見られたが、プロポフォールではこの傾向は見られなかった。さらに吸入麻酔薬のセボフルランにおいてはL型電位依存性カルシウムチャネルに対する抑制効果と遅発性カリウムチャネルに対する抑制効果で違いが見られた。これらの事実から、全身麻酔薬が細胞膜のイオンチャネルに及ぼす影響には、細胞膜容量の変化も関与している可能性が示唆された。しかしながらその効果には差異があり、各種レセプター・細胞内信号伝達経路などの影響の存在の可能性も考えられた。
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