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1997 年度 実績報告書

分子生物学手法を用いた全身麻酔薬と中枢性GABA.受容体との相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08457407
研究機関大阪大学

研究代表者

吉矢 生人  大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)

研究分担者 内田 一郎  大阪大学, 医学部, 助手 (00232843)
西村 信哉  大阪大学, 医学部, 助手 (00263286)
竹之下 真  大阪大学, 医学部, 講師 (00144486)
真下 節  大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
キーワードGABAA受容体 / 麻酔薬 / サブユニット / 分子生物学 / 点変異 / 電気生理学
研究概要

全身麻酔薬は、120年以上臨床上使用されているが、いくつかの麻酔機序学説が提出されてきたにもかかわらず、全身麻酔薬の作用機序が未だ解明されていない。しかし、近年、全身麻酔薬と蛋白と特異的相互作用が注目され、特に中枢性GABAA受容体(シナプス後膜)が臨床上の麻酔作用との相関の良さという点から麻酔薬の主たる作用部位と考えられるようになっている。多くの全身麻酔薬(静脈麻酔薬及び揮発性麻酔薬)はGABAA受容体との相互作用として、C1チャンネルを直接開く作用(GABAアゴニスト様作用)とGABAで開いたチャンネルを増強させる作用(GABA増強作用)を示す。本研究の目的は、分子生物学的手法を用い、マウス脳からクローニングされたGABAA受容体の各種サブユニットcDNAをアフリカツメカエルの卵母細胞に発現させ、電気生理学手法により、全身麻酔薬との相互作用、すなわちa)GABAアゴニスト様作用 b)GABA増強作用に関して、以下のことを検討するのが目的である。1)サブユニット特異性、2)キメラサブユニット、点変異サブユニット作製による作用部位を分子レベルで特定することであった。2年間の研究期間中に、我々は、1)GABAA受容体のキメラサブユニットによる研究により、静脈麻酔薬プロポフォールのGABA増強作用の作用部位がα1サブユニットの親水性NH2末端部位に存在することを証明した。2)GABAA受容体β2サブユニットの点変異(157番目チロシン→フェニルアラニン)によりGABAに対する親和性変化したGABAA受容体を用いた研究により、静脈麻酔薬(プロポフォール、エトミデイト、ペントバルビタール)のGABAアゴニスト様作用の作用部位は、GABAと異なること、またこれら麻酔薬のGABA増強作用は、GABAアゴニスト様作用の作用部位と異なることを明らかにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 内田一郎: "受容体と全身麻酔薬:主としてGABA受容体に関して" LiSA. 4・2. 106-112 (1997)

  • [文献書誌] 内田一郎: "中枢性GABAA受容体と麻酔" 麻酔. 46・増. S84-S89 (1997)

  • [文献書誌] 西村信哉, 真下節: "受容体のない薬物作用" 呼吸. 16・4. 564-569 (1997)

  • [文献書誌] S.Fukami, I.Uchida, T,Mashimo, H.Takenoshita, I.Yoshiya: "Gamma subunit dependent modulation by nitric oxide (NO) in recombinant GABAA receptor." Neuroreport. 9・6(in press). (1998)

  • [文献書誌] I.Uchida, I.Cestavi, L.Li, J.Yang: "The role of GABAA receptor α,subunit N-terminal extracellar domain in propofal potentiation of Cl current" Neuropharmacology. (in press). (1998)

  • [文献書誌] 内田一郎: "プロポフォールの薬理作用" ICUとCCU. 22・4. 225-231 (1998)

  • [文献書誌] 真下節: "専門医のための麻酔科学レビュー'96「麻酔の作用機序」" 総合医学社, 6 (1996)

  • [文献書誌] 真下節: "専門医のための麻酔科学レビュー'97「麻酔の作用機序」" 総合医学社, 7 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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