研究課題/領域番号 |
08457411
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90168360)
|
研究分担者 |
八重樫 和宏 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90254367)
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90167578)
|
キーワード | 微小循環 / 酸素分圧 / 酸素消費 / ガス輸送 / 拡散現象 / 輸送現象 / 蛍光顕微鏡法 / ビデオ顕微鏡法 |
研究概要 |
最近われわれは酸素感受性蛍光色素を固定した薄膜酸素センサーを開発し、微小血管床における酸素分布を二次元的に可視化することに成功した。これはセンサー薄膜と腸間膜血管とを極めて近接させ、透過光により微小血管像を、また落射蛍光により微小血管周囲の酸素分布を、ビデオ顕微鏡的に交互に観測・記録するものである。 さて近年、急性全脳虚血症例に対して、「軽度低体温脳保護療法」が脳の機能的予後を改善するとして着目されている。しかし軽度低温下に蘇生させた際の脳代謝と局所的血流の動態には不明な点が多く、また本療法の脳保護効果を最大にする脳温低下プロトコルも確立されていない。 本研究は、実験動物に種々の程度の脳温低下(温度因子)および急性脳循環障害(血流因子)を負荷し、我々が開発した酸素分布可視化システムを用いて脳表直下における酸素分布をこれら二因子の関数として解析して、軽度低体温脳保護療法の臨床的有効性とその生理学的基礎を検討することを目的としている。 本年度は、これまで腸間膜血管を対象としてきた実験システムをウサギ脳表面の観察システムに改良することと、実験動物での脳虚血プロトコルの検討に目的を絞った。新システムのセットアップは順調に進行している。脳虚血プロトコルの検討はやや遅れているが、全体の進行に問題はない。また腸間膜血管と異なり、脳表面では血流動態の観察が困難であるので、この点を補うべく蛍光化リポソームを用いた血流観察法の開発も併せて行っている。
|