研究分担者 |
松山 尚弘 自治医科大学, 医学部, 助手 (90265273)
和田 政彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (10240558)
辻本 登志英 自治医科大学, 医学部, 講師 (40254932)
布宮 伸 自治医科大学, 医学部, 講師 (60245058)
窪田 達也 自治医科大学, 医学部, 教授 (90048992)
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研究概要 |
過剰炎症反応の結果としての敗血症性肺障害と臓器/末梢血中サイトカイン(IL-6,IL-8を中心に)との相関について更なる検討を続けている。 1。臓器障害におけるサイトカインの作用の「場」についての検討 (1)経気管内チューブ普通吸引喀痰での成績:ARDSが肺全体に対する炎症作用とすれば、あるいは部分的な肺炎でも喀痰量が多ければ当該部由来のものが十分に含まれていると考えられるので、普通吸引喀痰中のサイトカイン量を検討した。誤嚥性肺炎症例では、各サイトカインの喀痰/血中濃度比がそれぞれ、TNFα≒80倍,IL-6≒800倍,IL-8≒1500倍,IL-10≒20倍(CRP=12.5mg/dL)という成績が得られた。また、膵頭十二指腸切除術後のまだ感染が認められない第一病日の喀痰では、TNFα=75pg/mL,IL-6=490pg/mL(CRP=10mg/dL)であった。従って、普通吸引喀痰でのサイトカイン成績は肺での炎症病態を十分に反映していると考えられる。 (2)肺胞洗浄液(BALF)採取時の問題:BALFは連続数回の採取がルーチンとされているが、連続3回のBALFをそれぞれ独立の検体としてサイトカインを測定したところ、特にIL-8は第2回目以降の検体で激減することが判明したため、BALFは初回の検体のみで検討すべきと考える。 2。喀痰、BALF検体の濃度補正の検討 敗血症・肺炎での肺水腫液中サイトカインはやはり異常高値を示すが、その中のBUN値は血中のそれと極めて近似しており、喀痰ゃBALFを生食で希釈した検体の濃度補正に利用しうることを再確認した。
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