研究課題/領域番号 |
08457413
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大竹 一栄 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00092156)
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研究分担者 |
松山 尚弘 自治医科大学, 医学部, 助手 (90265273)
和田 政彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (10240558)
辻本 登志英 自治医科大学, 医学部, 講師 (40254932)
布宮 伸 自治医科大学, 医学部, 講師 (60245058)
窪田 達也 自治医科大学, 医学部, 教授 (90048992)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | サイトカイン / 普通吸引喀痰 / 臓器 / 血中比 / BUN補正 / 敗血症 / ARDS / IL-10と予後 |
研究概要 |
過剰炎症反応の結果としての敗血症性肺障害と臓器/末梢血中サイトカイン(IL-6,IL-8,IL-10)との相関について、2年間に亘り検討を加えた。 1。サイトカイン測定用検体としての普通吸引喀痰の有用性:(1)過剰炎症反応が生じている症例での各サイトカインの普通吸引喀痰/血中濃度比がそれぞれ、TNFa≒80倍前後,IL-6≒800倍前後,IL-8≒1500倍前後、IL-10≒20倍前後という成績が得られた。従って、普通吸引喀痰でのサイトカイン成績は肺での炎症病態を十分に反映していると考えられる。(2)肺胞洗浄液(BALF)は連続数回の採取がルーチンとされているが、連続3回のBALFをそれぞれ独立の検体としてサイトカインを測定したところ、特にIL-8は第2回目以降の検体で激減することが判明したため、BALFは初回の検体のみで検討すべきであり、この事実からも普通吸引喀痰で充分と考える。 2。lL-10の成績による予後予測の可能性:前述のように、順調な術後経過を辿る食道癌根治術症例でも、IL-6やIL-8の喀痰/血中濃度比は極めて大きかったが、種々の疾患・病態でIL-10の測定値が3桁となった症例の殆どが死の転機をとった。IL一10が低値を推移した症例は、たとえIL-6やIL-8が高値となっても、救命できている。従って、抗炎症性サイトカインといわれているIL-10の作用機序は決して単純ではなく、今後の更なる検討を要する。 3。喀痰、BALF検体の濃度補正:肺水腫液中サイトカインはやはり異常高値を示すが、その中のBUN値は血中のそれと極めて近似していた。従って、喀痰やBALFを生理食塩水で適当に希釈しても、BUNの濃度比から喀痰やBALFの希釈倍率を推測できる。
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