1.マイクロチップカテーテル型圧トランスデューサ(miller)を用いた尿管内圧測定。 膀胱尿管逆流症の幼児に対して、全身麻酔下内視鏡を用いて逆行性に圧トランスデューサ(3Fre)を挿入した。中程度(Grade 3)の逆流尿管では尿管口より5〜6cm頭側の中部尿管では8〜10cmH_2O・2秒間隔の尿管収縮圧が記録される。この収縮圧は膀胱内を貫く壁内尿管でも観察されるが膀胱の静止内圧が干渉するのか振幅が1〜2cmH_2Oの低下を示した。また、正常尿管やGrade1〜2の逆流尿管では極細径に近い3Freでも尿の停滞の影響をうけ、静止圧、収縮圧、ともに高値を示す傾向にあった。この状態は壁内尿管でも同様であり、圧変化の判定は不能であった。以上のように逆行性カ-テル型圧トランスデューサを挿入する尿管内圧測定は尿管自体の口径の差、利尿状態によって大きく変化する。拡張の強い尿管では壁内尿管において圧差が生じ、本来の目的である壁内尿管の長さの測定の可能性を示唆する所見を得た。 2.抗PGP抗体による組織化学染色を用いた尿管神経密度の検討。 尿管は発生学的に尿管芽が頭側に伸び後腎組織と出会うことにより尿路形成する。したがって、尿管を完全に切断することでそれより頭側(腎臓側)の尿管の神経密度は低下を示す。現在、乳児期拡張尿管で一時的尿管皮膚瘻となった症例のundiversionの際に得られた頭側/尾側の尿管の神経密度を現在検討中である。
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