研究課題/領域番号 |
08457426
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
真崎 善二郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40038716)
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研究分担者 |
吉永 英俊 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70210739)
藤山 千里 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (80209113)
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キーワード | 前立腺 / 細胞外基質 / コラーゲン / 組織片培養 / 脂肪細胞 |
研究概要 |
【今年度の実績】ラット前立腺上皮細胞を単細胞に単離し、コラーゲン・ゲル三次元培養により、腺房様構造形成を観察してきた。ところが、単離細胞より再構築された腺管では分化度が低く、また腺管の寿命も短い傾向があった。そこで次のごとく同組織の組織片培養を行った。生後9週の前立腺腹側葉組織を微細に細切し、コラーゲン・ゲル内に包埋・培養するとともに、副睾丸周囲脂肪細胞と混合培養し、一種のfeederlayerとして脂肪細胞が産生する生理活性物質(adipocytokine)の影響を検討した。培養3日目から組織片周囲に上皮細胞と前立腺間質細胞が増殖し、腺房様の腺管構造を形成した。脂肪細胞との混合培養では粘液産生を有する大型の腺管が形成された。ラット前立腺背側葉に特異的な蛋白であるDP-1を免疫染色すると、単離細胞より再構築された腺房様構造ではDP-1は発現しなかったのに対して、今回の組織片培養群、特に脂肪細胞と混合培養を行った群ではDP-1の発現が見られた。すなわち、前立腺組織の組織片培養及び、脂肪細胞との混合培養は、単里細胞培養に比べてより良好な培養条件を獲得できると考えられる。この条件下でdihydroteststerone(DHT)等の男性ホルモンは前立腺上皮の増殖と分化を促進させた。 前立腺肥大症患者より単離した細胞の三次元培養を行ったところ、ラットのそれに比べ、異なる腺管構造が形成され、例えば導管様構造が優位であった。またヒト癌細胞株(cell line)の培養では不完全な腺管構造を作り、細胞の極性を欠く傾向が認められた。これらの違いが如何なるメカニズムによって起こるかは未だ解明できず今後に研究続行予定である。
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