研究課題/領域番号 |
08457426
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
真崎 善二郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40038716)
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研究分担者 |
中村 晃二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30274608)
吉永 英俊 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70210739)
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キーワード | 前立腺癌 / 細胞外基質 / コラーゲン / 癌細胞株 / 線維芽細胞 / 脂肪細胞 / 被膜外湿潤 |
研究概要 |
前立腺癌細胞株と間質細胞の相互作用 ヒト前立腺癌細胞と線維芽細胞との混合培養を行い、前立腺癌の形態変化を検討すると共に、更に脂肪細胞と混合培養し、前立腺癌の被膜外浸潤や骨髄転移を想定し、脂肪組織の前立腺癌に与える影響を検討した。 ヒト前立腺癌細胞株PC-3、線維芽細胞株3T3、ラット精巣上体周囲の単離脂肪細胞を用い、コラーゲン・ゲル内で2週間培養した。ゲルの組織切片にて形態、増殖(ウリジン取り込み率による)、および分化(免疫組織化学的)を観察した。 癌細胞単独培養群と比較検討すると、 1. 線維芽細胞混合培養群で癌細胞のコロニーは小型化する傾向にあった。 2. 脂肪細胞混合培養群癌細胞で癌細胞は大型のコロニーを形成し、最も高い増殖能を有していた。 3. 線維芽細胞+脂肪細胞混合培養群では癌細胞のコロニーも大型化していたが、脂肪細胞のみの場合に比べて、増殖能は抑制される傾向にあった。癌細胞は広い細胞質を有し、腺腔を形成して分化傾向を示す一方で、紡錘形化して増殖する部分も見られた。免疫組織化学的に、PSA染色にて紡錘形の細胞が前立腺癌細胞であることを確認した。 前立腺周囲や、骨髄内にも豊富に存在する脂肪組織は、浸潤・転移した前立腺癌のコロニー形成能・増殖能を促進すると共に、分化に影響を与える可能性が示唆された。紡錘形細胞の微細構造について、また形態変化にいかなる因子が関与しているか、更に検討が必要と思われる。
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