研究概要 |
本研究はDifferential Display 法をヒト前立腺癌の分析に応用し、ヒト前立腺癌の発生と進展やhormone依存性に関わる遣伝子を検索しその役割を明らかにすることを目的としている。 前年度は1。同一患者の前立腺癌組織と正常前立腺組織 2。ヒト前立腺癌細胞株LN-CaPにandrogenを添加と非添加状態よりm-RNAを抽出しDifferential Display法をおこなった。 その結果 1。の検討により発現に違いがある4つのc-DNA fragment 2。の検討によりandrogenに反応し発現する10のc-DNA fragmentを分離する事ができた。Gene bankとのcomputer解析によりうち3つは既知の遺伝子の断片であり残りは未知の遺伝子の断片であった。 本年度はこれらの遺伝子断片と同様の方法で得た遺伝子断片につきc-DNAライブラリーよりクローニング,を行った。その結果機能がよくわからない配列をもつ遺伝子を得ており、これを用いて前立腺癌組織での発現を検討している。また前立腺癌におけるtelomerase活性の検討を行い癌にのみこの活性を認めることを確認し、この差についてhTRT遺伝子の発現と機能の面で検討をおこなっている。 これらの成果は論文と癌学会や泌尿器科学会で報告した。
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