研究概要 |
本研究では,Differential Display法をヒト前立腺癌の分析に応用し,ヒト前立腺癌の発生と進展や,アンドロゲン依存性に関わる特異性の高い未知の遺伝子を検索し,その遺伝子情報と役割を明らかにする。そして,それらの新しい遺伝子による遺伝子診断や治療法の糸口をさぐることを目的とする。 本年度の成果として a. ひと前立腺癌細胞でアンドロゲン添加にて濃度依存性に発現量を増加させる遺伝子断片43個をクローニングし、塩基配列を決めその中から遺伝子バンクとのコンピュター探索により前立腺に関わることが予測される既知の遺伝子2個と未知の遺伝子3個を選び遺伝子全長のクローニングと塩基配列を決めた。そのうち1個は、個体の分化に関わる胎生の遺伝子NKX3.1様の遺伝子であり、現在この前立腺癌での発現状況をしらべている。また他の遺伝子のひと前立腺への関与を明らかにしている途中である。 b. ひと前立腺癌におけるtelomerase活性の検討を行った。癌に特異的に活性が認められる事を確認し、さらに、 1。 ひと前立腺のbiopsy組織でこのtelomerase活性が測定可能であることを明らかとした。 今後診断面に応用する方向をしめした。 2。 telomerase活性とhTRT遺伝子の発現量と相関を認めることをあきらかとした。
|