1.臨床試料の解析 手術標本として得られる109症例の膀胱腫瘍症例で21例が再発を認めており、現在ホルマリン固定後のパラフィンブロックを標本として腫瘍の悪性度および変異p53抗体、抗メタロチオネイン抗体、抗サイクリンD1抗体を用いて染色中でありその結果は平成9年度の日本癌学会において発表の予定である。 2.p53レベルの異なるマウスを用いた膀胱腫瘍発生頻度の検討 p53欠損マウスとワイルドタイプマウスを用いてN-butyl-N-4-hydroxy butylnitrosamine(BBN)を経口投与することにより、各々のマウス間の腫瘍発生頻度および組織型、悪性度、stageを検討する実験は、当初p53null mouseに対して、c57black mouseで行っていた従来どうりの投与(BBN経口投与10週間、その後約10週間の観察期間)を行ったがp53null mouseにおいては、BBN投与群のみならず非投与群に於いても経過中に死亡してしまった。現在死亡原因の究明と共にp53hetero mouseを用いて同様の実験をすることを検討している。
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