研究課題/領域番号 |
08457444
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
兼子 智 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40214457)
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研究分担者 |
立野 裕幸 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (80163492)
石川 博通 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (60112679)
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キーワード | ヒト精子 / 染色体 / Cr^+ / カフェイン / 先体反応 / アセチルコリン |
研究概要 |
1.染色体構造異常を有しない精子の選択的分離 液化精液を多層Percoll法で遠心分離し、染色体構造異常精子の除去を試みた。等張化した80、70、60、50%Percoll各1.0mlを順次ニトロセルロースチューブに層積し、精液を載せて遠心分離し、チューブの底に穴を開け、管底に沈殿した精子を回収した。これを透明帯除去ハムスター卵と培養し、侵入した精子の染色体標本を作製し、欠失、断裂等の染色体構造異常を観察した。その結果、低速(400xg)で短時間(10分間)遠心分離した場合、管底への精子回収率はわずかである(3.6(].SY+-。[)1.1%,n=7)であるが、染色体構造異常率は18.4(].SY+-。[)7.6%(対照:未分離精液)から1.8(].SY+-。[)0.6%に低下することを認めた。本成果により顕微受精等の精子数を必要としない受精法では実用可能でであるが、さらに汎用化を図るには染色体構造異常精子分離能を保持したまま、以下に回収率を高くするかが問題であり、Percoll段数の増加とそれに伴う遠心条件の至適化をさらに進める必要がある。 2.精子の先体反応人工的誘起法の開発 1.において分離した精子の先体反応の人工的誘起を図るのが本研究の目的であるが、本年度は予備実験として未分離の標品(撹拌密度勾配法により濃縮した運動精子)を用いて先体反応誘起促進活性を有する薬物の検索を行った。従来、この目的にはカフェインが汎用されてきたが、本研究においてその類縁体である8-Sulfophenyl theophyline(8-SPT)は精子運動に影響せず先体反応を特異的に誘起促進し、逆にN6-L-phenylisopropyladenosine(PIA)は用量依存的に誘起を阻害し、両者は拮抗することが明らかとなった。またアセチルコリンは強い先体反応誘起活性を有していた。通常、卵の培養は10%程度の血清を含む培養液が用いられるが、アセチルコリンは精子に作用させた後、その懸濁液を直接卵培養液に添加しても、血清中のコリンエステラーゼにより瞬時に分解されるため、将来の臨床応用に有望と考えられ、さらに作用機序等を詳細に検討する予定である。
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