研究課題/領域番号 |
08457465
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田野 保雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80093433)
|
研究分担者 |
岸田 健一 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (80028563)
瓶井 資弘 大阪大学, 医学部, 助手 (40281125)
大路 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (90252650)
不二門 尚 大阪大学, 医学部, 講師 (50243233)
斉藤 喜博 大阪大学, 医学部, 講師 (40215570)
|
キーワード | 加齢生黄斑変性 / 黄斑変位術 / micriperimetry / 多局所ERG / 網膜色素上皮 / 細胞培養 / 創傷治癒 / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
平成8年度は、黄斑変位術を3名の加齢性黄斑変性患者に施行し、患者の同意の下、術後視機能に関する前向き検討を行った。視力、色覚といった自覚的黄斑機能の改善に加えて、SLO micriperimetry および多局所ERGを用いることにより他覚的黄斑機能の改善を示すことができた。その他現在までの症例で、併発症として黄斑上膜形成が2眼にみられたが、いずれも観血的治療にて対処できた。術後平均観察期間が10〜28ヶ月と短期ではあるが、現在有効な治療法のない加齢性黄斑変性にとつて、黄斑変位術は効果のある治療法だと言えることを発表した。 網膜色素上皮移植に関しては、まず移植の適した細胞採取の方法を確立し、発表した。また、その方法を更に改良することにより、単層上皮である網膜色素上皮細胞を生体内の形状を保ってシート状に採取、培養することに成功した。この培養系がin vitroにおいても、生体内と同様の細胞間接着装置、細胞骨格を有することを示し、従来の培養細胞と比較して優れていることを発表した。このモデルを用いて、移植後の生着、修復に重要な細胞外マトリックスの生成過程と創傷治癒過程を、時間を追って検討した。その結果、細胞外マトリックスは欠損部閉鎖に対し時間的に遅れて合成分泌され、また、細胞外マトリックスの中でも成分により分泌される順列があることが判明した。
|