研究課題/領域番号 |
08457466
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大野 重昭 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50002382)
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研究分担者 |
伊藤 典彦 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80264654)
内尾 英一 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (70232840)
中村 聡 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00237398)
米本 淳一 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (00240383)
杉田 美由紀 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90235888)
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キーワード | ベーチェット病 / 分子遺伝学 / HLA-B*5101 / MICA / MICB / 疾患感受性遺伝子 |
研究概要 |
ベ一チェット病の分子遺伝学的発症機構を解明するために、第6染色体短腕上に位置するHLA-B遺伝子周辺領域を、巨大DNAのクローニング系であるYACベクターを利用して効率よく分離した後、このクローニングされた領域内のHLA-B遺伝子周辺に位置し、HLA-B*5101対立遺伝子と連鎖不平衡の関係にある新しい非HLA遺伝子の機能と構造を解析した。さらに、ベ一チェット病の発症にこれらの新しい遺伝子がどのように関わっているかについて、検討を行なった。 その結果、この領域にはNOB1,NOB2,NOB3,MlCA,MlCBという新しい非HLA遺伝子の存在が見出された。このうち、MlCB遺伝子タイピングをPCR-SSP法て行なったところ、ベーチェット病とは有意の相関がみられなかった。これにたいし、MICA遺伝子TM領域のマイクロサテライト多型解析を行なったところ、A6対立遺伝子が本病患者て有意の高値を示した。さらにMICA-A6対立遺伝子のペプチド結合領域の多型性を検索したところ、ペプチド結合ドメインであるα2ドメイン(第3エクソン)の122番目のアミノ酸はいずれもバリンであった。一方、テロメア側の遺伝子相関をみるとKLA-Cよりはセントロメア側に本病発症遺伝子座が位置していることから、ベ一チェット病の発症に関与する疾患感受性遺伝子はHLA-CからMICBまでの230kb内に存在することが明らかにされた。 今後さらにNOB1-NOB3遺伝子との相関を検索するとともに、HLA-B*5101-MICA-A6トラッスジェニックマウスを作成し、ベ一チェット病の分子遺伝学的発症機構の本態を明らかにする予定である。
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