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1997 年度 実績報告書

角膜上皮に特異的に発現する未知遺伝子の単離に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08457467
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

木下 茂  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30116024)

研究分担者 大久保 公策  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (40233069)
西田 幸二  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40244610)
キーワード角膜上皮 / cDNA解析 / ヒト / cDNAライブラリー / 特異的な遺伝子 / ケラチン12 / カテプシン
研究概要

前年度に角膜上皮の全長cDNAライブラリーを作成しクローニングした3つの角膜上皮特異的な遺伝子について解析した。
ライソゾーム蛋白は334アミノ酸をコードし、ヒトカテプシンLと77%の高い相同性を示す新規のカテプシンと考えられた。RT-PCR法では角膜上皮、結膜上皮、皮膚に発現を認めたが、ヒトカテプシンLの発現と比較して有意に高い発現を示したのは角膜上皮のみであり、角膜上皮の生理機能に重要な役割を果たすものであると考えられた。さらにバキュロウイルス発現系を用いて組み換え蛋白を作成し、その酵素活性を検討した。その結果、この新規カテプシンはシグナル配列を持ち、プロ酵素の形で細胞上清中に分泌され、弱酸性下で自己分解し活性を有する成熟型に変化することが判明した。ウシ血清アルブニンに対する酵素活性はシステインプロテアーゼの性質を示し、我々はこの遺伝子をカテプシンVと命名した。
膜蛋白は261アミノ酸をコードし、4回膜貫通型の膜蛋白であることが判明した。
ケラチン12遺伝子については、ケラチンに関する過去の知見から常染色体優性遺伝で角膜上皮細胞内の微小胞を特徴とするミ-スマン角膜上皮変性症の原因遺伝子と考え、ゲノム構造解析と変異解析を行った。その結果、ケラチン12遺伝子はFISH法で17q12にマッピングされ、8個のエクソンと7個のイントロンから構成され、検討したミ-スマン角膜上皮変性症の4家系すべてにおいてa-helix rodドメインに変異が認められ、同疾患の原因遺伝子であることを証明した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Nishida K: "Isolation and chromosomal localization of a cornea-specific human keratin 12 gene and detection of four mutations in Meesmann corneal epithelial dystrophy" American Journal of Human Genetics. 61. 1268-1275 (1997)

  • [文献書誌] 西田幸二: "膠様滴状角膜変性症におけるBig-h3遺伝子エクソン4の検索" あたらしい眼科. 14. 909-910 (1997)

  • [文献書誌] Adachi W: "Isolation and Characterization of Human cathepsin V:A Major Proteinase in corneal epithelium" Investigative Ophthalmology & Visual Science. (submitted).

  • [文献書誌] Dota A: "Clusterin in the human corneal erdothelium and anterior chamber" Current Eye Research. (submitted).

  • [文献書誌] Dota A: "Gelatinous drop-like corneal dystrophy is not one of the Big-h3-mutated corneal amyloidoses" Archives of Ophthalmology. (submitted).

  • [文献書誌] Yamamoto S: "A kerato-epithelin (Big-h3)mutation in lattice corneal dystrophy type 3A" American Journal of Human Genetics. (in press).

  • [文献書誌] 西田幸二: "角膜変性症 あたらしい眼科" メディカル葵, (1997)

  • [文献書誌] 木下茂(監修): "眼科診療のための分子生物学入門" メディカル葵, (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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