研究課題/領域番号 |
08457469
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
北原 健二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056853)
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研究分担者 |
山口 朋彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70220267)
郡司 久人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50186574)
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キーワード | 先天赤緑色覚異常 / 赤視物質遺伝子 / 緑視物質遺伝子 / 赤緑融合遺伝子 / 緑赤融合遺伝子 / 色素色色覚異常 |
研究概要 |
当科外来を受診し、インフォームドコンセントの得られた先天色覚異常者(特に先天赤緑色覚異常)20例、色素色色覚異常が疑われる3例に対して心理物理学的検査として色覚検査表、パネルD-15およびアノマロスコープを施行し、更に末梢静脈血の採血によってヒトgenomic DNAを抽出して分子生物学的検索を行い心理物理学的検索との相関を調べた。 被験者の表現型は第1異常(赤視物質の異常)8名、第2異常(緑視物質の異常)12名であった。Quantitative PCR-SSCPを用いて遺伝子型を検索したところ第一異常者は正常の赤遺伝子を欠き、緑遺伝子に類似した働きを持つ赤緑融合遺伝子のみ持つかあるいは赤緑融合遺伝子と正常の緑視物質遺伝子を持っていることが解った。また第二異常者においては正常の赤遺伝子のみ存在し、緑遺伝子を持っていないもの、正常赤遺伝子に加えて赤遺伝子類似の緑赤融合遺伝子を持つもの、さらに正常赤遺伝子・緑赤融合遺伝子・正常緑遺伝子を持つものの3種類の遺伝型が証明された。第1異常、第2異常ともに遺伝子型と表現型は一致したが、表現型の程度(色覚異常の程度)については遺伝子型だけでは説明のつかないものがあり、今後の詳しい研究が必要と考えられた。また色素色色覚異常者のうち1例は第2色覚異常であった。残りの2例についてはQuantitative PCR-SSCP,前シークエンスについて解析するも色覚正常者との違いは見られなかった。よって色素色色覚異常のメカニズムは網膜レベルでの視物質の異常ではない可能性が示唆された。
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