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1996 年度 実績報告書

消化管の成長と吸収能からみた短小腸におけるアルギニン投与の意義

研究課題

研究課題/領域番号 08457471
研究種目

基盤研究(B)

研究機関秋田大学

研究代表者

蛇口 達造  秋田大学, 医学部, 講師 (00124644)

研究分担者 吉野 裕顕  秋田大学, 医学部, 助手 (90182807)
加藤 哲夫  秋田大学, 医学部, 教授 (20004963)
キーワード広範小腸切除 / アルギニン / 成長因子 / 成長ホルモン / 腸管粘膜増殖 / 吸収能 / マイクロダイアリシス
研究概要

【目的】短小腸モデルでアルギニン(Arg)の小腸粘膜増殖効果と消化吸収能に及ぼす効果を明かにするため97年度は以下の実験を行った。【材料と方法】4週雄性ラットに90%小腸切除(十二指腸と回腸末端5cmを温存)を施行後、術後4日目から成分栄養剤にArgまたはグリシン(Gly)を添加、各々Arg添加群、Gly添加群とした。開腹術のみ施行後同様に管理した2群を対照とした。等熱量・等窒素量で飼育し3週目に以下を比較した。検討項目は各群の体重、残存小腸長、血漿アミノグラム、ヒトGHRH負荷試験に対する血漿ラット成長ホルモン(GH)濃度、血漿総ソマトメジンC(Sm-C)濃度、および回腸粘膜絨毛高とした。更に上腸間膜静脈でマイクロダイアリスサンプリングシステムを用いたアミノ酸吸収能評価の可能性も検討した。【結果】1)体重および残存小腸長では短小腸の2群間に差を認めなかった。2)短小腸のArg添加群でArg濃度が、Gly添加群でGly濃度が有意に高値であった。血漿シトルリシ(Cit)濃度は投与Argおよび小腸切除自体でも影響され低下する。3)短小腸のArg添加群でヒトGHRHに対するGH分泌能が対照群と同様に維持された。血漿総Sm-C濃度は短小腸の2群とも対照群と比較し低値であった。4)短小腸の2群間の残存回腸粘膜絨毛高の比較でArg添加群で有意に増加した。5)6週ラットの回腸係蹄5cmでのグルタミン酸(Glu)注入後の上腸間膜静脈のマイクロダイアリシスでCit濃度は増加しArg濃度は低下した。【まとめ】97年度までの研究結果は、広範小腸切除後の残存小腸の形態と機能の回復に、Argが外因性GHの代用となり得る可能性を示唆している。機能面での吸収能の回復を明らかにするため、門脈系アミノ酸分析にマイクロダイアリスを利用した。回腸でのGluからのCit合成が示唆され、微量サンプルでの吸収能評価とArgの小腸のアミノ酸代謝と吸収能に及ぼす効果の検討が可能である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 蛇口達造: "銅補充非反応性顆粒球減少症と低銅血症の長期静脈栄養例" 小児外科. 28・10. 1223-1229 (1996)

  • [文献書誌] 蛇口達造: "成長因子を利用した短腸症候群の治療:消化管代償能と成長因子" 医学のあゆみ. 181・04(掲載ページ未定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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