研究課題/領域番号 |
08457492
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大工原 恭 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)
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研究分担者 |
友村 明人 明海大学, 歯学部, 講師 (60188810)
中村 修 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70128445)
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キーワード | α2-HS糖タンパク / ラットフェチュイン / 骨吸収 / カテプシンL / 副甲状腺ホルモン |
研究概要 |
妊娠17日のマウスに^<45>CaCl_2を投与して、24時間後に胎仔から得た^<45>Ca-標識橈骨を用いるin vitro骨吸収活性剤測定系により、下記の結果を得た。 1.低濃度(0.1-0.5nM)の副甲状腺ホルモン(PTH)は、我々が用いた上記の測定系では、骨吸収活性をほとんど示さなかった。しかし、ラット骨気質から精製したフェチュインを200μg/mlの濃度で加えると、骨吸収活性剤が上昇することを見いだした。 2.上記のラットフェチュインによる骨吸収促進活性は、フェチュンの濃度(0-200μg/ml)及びPTHの濃度(0.1-0.5nM)に依存的であった。 3.PTHは骨組織のカテプシンLの分泌を促進し、さらにPTH存在下でのラットフェチュインによる骨吸収促進活性は、カテプシンLの阻害剤であるキモトリプシンで抑制された。 4.カテプシンLには、コラーゲン分解活性があると報告されている。そこで、ラットのI型コラーゲンをラットフェチュインで前処理すると、精製カテプシンLによるコラーゲン分解活性が促進されることを見いだした。 5.以上の結果は、骨基質に存在するフェチュインがその周囲のコラーゲンの高次構造を変化させ、カテプシンLに対する親和性或いは感受性を高めて、PTHによる骨吸収を促進していることを示唆するものである。また、抗ラットフェチュイン抗体を蛍光色素で標識し、これも用いてマウス骨組織を染色して、本年度の補助金で購入した落射蛍光顕微鏡で観察したところ、骨芽細胞がフェチュインを合成分泌していることを確認した。なお、報告書(英文)は現在作成中である。 6.上記の他に、我々は肝臓が合成・分泌しているリン酸型のフェチュインが、肝細胞増殖因子(HGF)の生物活性を阻害し、肝臓の過剰増殖を抑制する力ローンの1種であることを見いだし、報告した。(印刷中)
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