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1996 年度 実績報告書

骨芽細胞におけるプロスタグランジンEの合成経路とその受容体サブタイプの解析

研究課題

研究課題/領域番号 08457493
研究種目

基盤研究(B)

研究機関昭和大学

研究代表者

宮浦 千里  昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)

研究分担者 自見 英治郎  昭和大学, 歯学部, 助手 (40276598)
片桐 岳信  昭和大学, 歯学部, 助手 (80245802)
須田 立雄  昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
キーワード骨芽細胞 / プロスタグランジンE / 骨吸収 / インターロイキン-1 / ホスホリッパーゼA_2 / シクロオキシゲナーゼ / アラキドン酸 / 血小板由来増殖因子
研究概要

プロスタグランジンE(PGE)は、骨組織では骨芽細胞によって産生され、骨吸収因子として働く他に、骨形成をも促す主要な骨代謝調節因子である。PGEの合成はホスホリパーゼA_2(PLA2)によるアラキドン酸の遊離と、シクロオキシゲナーゼ(COX)によるPGE合成という2段階で調節されている。骨芽細胞におけるPGE合成系を、細胞質型PLA_2(cPLA_2),分泌型PLA_2(sPLA_2),COX-1及びCOX-2のcDNAを用いたノーザンブロット解析、ウエスタンブロット解析により,これら酵素の活性化機構をリン酸化の有無により解析した。
IL-1などのサイトカインが骨吸収活性を示すには骨芽細胞によるPGE2産生の亢進が必要である。そこで、マウス骨芽細胞を用い、サイトカインによるPLA_2とCOXのmRNA及びタンパク合成の調節機構を解析した。マウス骨芽細胞には構成的にcPLA_2が存在し、sPLA_2は検出されなかった。cPLA_2のmRNA及び蛋白はIL-1により軽度に上昇したが、PGEの合成は検出されなかった。一方、cPLA_2の酵素活性はPDGFにより10分以内に上昇し、それはリン酸化による活性化に起因することが明らかとなった。また、COX-2のmRNA及び蛋白はIL-1により顕著に亢進し、アラキドン酸の遊離能とシクロオキシゲナーゼ活性の促進が認められた。COX-1は微量存在したが、サイトカインにより変動しなかった。骨芽細胞にIL-1を作用させてCOX-2を誘導してもPGEの合成は亢進しなかった。そこで、PDGFは共存させたところ、cPLA_2によるアラキドン酸の供給が可能となり、著しいPGE産生が認められた。この知見は、骨芽細胞におけるPGE合成系がcPLA_2によるアラキドン酸の遊離と、COXによるPGE合成という2段階で調節されており、cPLA_2はPDGFによる活性化、COX-2はIL-1による転写促進というように、それぞれ異なる因子により独立した調節を受けることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Onoe,Y.,et al.: "IL-13 and IL-4 inhibit bone resorption by suppressing cyclooxygenase-2-dependent prostaglandin synthesis in osteoblasts." J.Immunol.156. 758-764 (1996)

  • [文献書誌] Chaki,O.,et al.: "Androgen deficiency stimulates B-lymphopoiesis in bone marrow and induces bone loss in male mice : Comparison of the effects of estrogen and androgen." Osteoporosis 1996. 37-41 (1996)

  • [文献書誌] Chen,Q.R.,et al.: "Activation of cytosolic phospholipase A_2 by platelet-derived growth factor is essential for cyclooxygenase-2-dependnet prostaglandin E_2 synthesis in mouse osteoblasts cultured with IL-1." J.Biol.Chem.,in press. (1997)

  • [文献書誌] Tai,H.,et al.: "Transcriptional induction of cyclooxygenase-2 in osteoblasts is involved in interleukin-6-induced osteoclast formation." Endocrinology. (1997)

  • [文献書誌] 宮浦千里: "骨粗鬆症 Q&A" 医薬ジャーナル社, 167 (1996)

  • [文献書誌] 宮浦千里: "分子骨代謝学と骨粗鬆症" エストロゲン欠乏による骨代謝変化とサイトカイン, 10 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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