• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

腎臓の近位尿細管細胞におけるビタミンDの代謝調節機構の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08457494
研究機関昭和大学

研究代表者

新木 敏正  昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)

研究分担者 秋山 修一  昭和大学, 歯学部, 助手 (70276591)
宮浦 千里  昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
須田 立雄  昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
キーワード活性型ビタミンD / 副甲状腺ホルモン / 1α-水酸化酵素 / 24-水酸化酵素 / ビタミンD受容体 / RT-PCR / シトクロムP450
研究概要

我々はこれまでに腎臓ならびに小腸におけるビタミンDの作用を、活性型ビタミンD[1α,25(OH)_2D_3]によって特異的に誘導される24-水酸化酵素と本酵素の発現に必須の因子であるビタミンD受容体(VDR)の発現を指標にして検討してきた。その結果、1α,25(OH)_2D_3を合成している腎臓の近位尿細管細胞ではVDRの発現が完全に抑制され、24-水酸化酵素も発現せず内分泌器官として機能することを見いだした。そこで今年度は、細胞内含量が極めて低く不安定なことが原因でこれまで精製ならびに遺伝子のクローニングがなされなかった、25(OH)D_3-1α-水酸化酵素のクローニングを行った。本酵素はミトコンドリア型シトクロムP450であることから、これまでに遺伝子がクローニングされているビタミンD25-水酸化酵素ならびに25(OH)D_324-水酸化酵素と高いホモロジーを有すると考えられる。従って、1α-水酸化酵素活性が亢進しているビタミンD欠乏ラットと本酵素活性が完全に抑制されている1α,25(OH)_2D_3を投与したラットの腎臓からmRNAを調整し、シトクロムP450でその配列が保持されているフェレドキシンならびにヘム結合領域のアミノ酸配列からdegenerate primerを構築して、RT-PCR法によってクローニングを開始した。クローニングした遺伝子は2469bpであり、501のアミノ酸をコードする新規P450蛋白質であった。また、本遺伝子の発現は、ビタミンD欠乏食あるいはビタミンDを含む低カルシウム食で飼育した腎臓で著しく増強しており、マイクロダイセクション法によって調べた結果、腎臓の近位尿細管細胞に局在することが明らかになった。さらに、本遺伝子を発現ベクターに組み込んで腎臓由来のCOS-7細胞に移入して調べたところ、1α-水酸化酵素活性を有することが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Brenza,H.L.,et al.: "Parathyroid hormone activation of the 25-hydroxyvitamin D_3-1α-hydroxylase gene promoter." Proc.Natl.Acad.Sci.USA,. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Shinki,T.,et al.: "Cloning and expression of rat 25-hydroxyvitamin D_3-1α-hydroxylase cDNA." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94. 12920-12925 (1997)

  • [文献書誌] Monkawa,T.,et al.: "Molecular cloning of cDNA and genomic DNA for human 25-hydroxyvitamin D_3-1αhydroxylase." Biochem.Biophys.Res.Commun.239. 527-533 (1997)

  • [文献書誌] Miyamoto,Y.,et al.: "1α,25-Dihydroxyvitamin D_3-24-hydroxylase(CYP24)hydroxylates the carbon at the end of the side chain (C-26) of the C-24-fluorinated analog of 1α,25-dihydroxyvitamin D_3." J.Biol.Chem.272. 14115-14119 (1997)

  • [文献書誌] Suda,T.,et al.: "Vitamin D" Vitamin D and osteoclastogenesis., 20 (1997)

  • [文献書誌] Suda,T. et al.: "Methods in Enzymology" Role of 1α,25-dihydroxyvitamin D_3 [1α,25 (OH) _2D_3] in osteoclast differentiation and function., 12 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi