研究課題/領域番号 |
08457496
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂本 亘 北海道大学, 歯学部, 助教授 (30001952)
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研究分担者 |
西方 真 北海道大学, 歯学部, 教務職員 (00150243)
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キーワード | 歯周囲病原性因子 / 45kDa protease / LPS / マクロファージ / モノカイン / IL-1β / TNF-α |
研究概要 |
歯周疾患は、細菌およびその産生物あるいは分解産物を起因とする特異的あるいは非特異的な免疫応答や炎症反応に基づく疾患である。Porphyromonas gingivalisは、細菌内毒素(LPS)以外に40種類近い水解酵素を放出し、歯周組織の破壊に大きく関与することから、歯周病原性菌の一つに挙げられている。しかしながら、この菌が放出する45kDa proteaseの歯周疾患への関与については未だ明らかにされていない。我々は歯周病の発症、進展と歯周病原性因子、マクロファージとの関連性を明らかにする為に、骨吸収に関与するモノカイン放出とキニン産生に対する45kDa proteaseの作用について研究した。その結果、次のことが明らかとなった。 (1)45kDa proteaseは10mM以上のSH基存在下で酵素活性を示すthiol proteaseの性質を有していた。そして、活性化した酵素はkininogenより炎症のケミカルメデイーター、キニンを遊離することはできなかった。 (2)LPSはマクロファージに対して、濃度依存的にIL-1β、TNF-αを誘導、放出させたが、45kDa proteaseはこれらモノカイン産生に何んら作用を示さなかった。 以上の結果から、歯周病原因子の一つとして考えられているPorphromonas gingivalisより分離した45kDa proteaseはLPSのような強力なサイトカイン誘導作用を有していないこと、また45kDa proteaseはモノカイン、キニンを介した骨吸収に関与していないことが明らかとなった。
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