研究概要 |
1.LFA-1 costimulation によるp125^<FAK> (FAK)の活性化。 Jurkat細胞をLFA-1,CD28,CD45抗体およびcontrol IgG1単独,あるいは抗CD3抗体との混合にて架橋刺激し,免疫沈降FAKのチロシンリン酸化状態を検出した。 (1)抗LFA-1,CD28,CD45抗体単独刺激ではFAKのチロシンリン酸化は誘導されなかったが、CD3とLFA-1のcostimulationによりCD3架橋刺激によるFAKのチロシンリン酸化がLFA-1抗体用量依存性に増強した。 (2)他のaccesory moleculeでは、CD3のFAK活性化に対するcostimulation効果は認められなかった。以上の結果より、LFA-1は細胞接着斑形成に重要なFAKのチロシンリン酸化を増強し、T細胞活性化に補助シグナルを伝達することが明らかとなった(manuscript preparation)。 2.CD2架橋刺激によるNK細胞活性化とそのシグナル経路。 (1)CD2架橋刺激によって、NK細胞より有意な細胞内顆粒の放出が認められた。この効果はチロシンキナーゼ阻害剤およびPI3キナーゼ阻害剤により完全に阻止された。 (2)CD2架橋刺激により、p72^<syk> (Syk)チロシンキナーゼの活性化が認められ、細胞内蛋白のチロシンリン酸化時にアダプター蛋白Shcのチロシンリン酸化が増強していた。 (3)CD2架橋刺激により、細胞内チロシンリン酸化蛋白やアダプター蛋白Shcに結合したPI3キナーゼ活性が増強していた。以上の結果より、CD2分子はチロシンキナーゼSykを介入して細胞内アダプター蛋白のチロシンリン酸化を誘導し、さらに結合するPI3キナーゼ活性をも増強させていた。この一連のシグナルによってNK細胞が活性化され、細胞傷害物質の放出が引き起こされた。(paper reviced to J.Immunology)
|