研究分担者 |
東 富恵 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20034233)
中西 恵治 広島大学, 歯学部, 助手 (00136102)
吉野 宏 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50240338)
平川 正彦 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90243584)
河口 浩之 広島大学, 歯学部, 助手 (10224750)
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研究概要 |
1. セメント質の再生過程における破歯細胞,セメント芽細胞および再生セメント質基質における非コラーゲン性蛋白質の局在を免疫組織化学的に検討した。その結果,オステオポンチン(OPN),骨シアロプロテイン(BSP)はセメント質再生の初期石灰化に関与し,オステオネクチン,オステオカルシン,BMP-2はその後のセメント質の成熟に関与することが明かになった。 2. 歯根吸収からセメント質再生の過程でのマラッセ上皮の動態を観察し,基質蛋白の局在について免疫組織化学的に検討した。その結果,マラッセ上皮が網目構造を変化させ,同過程において何らかの役割を担っている可能性を明らかにした。マラッセ上皮は歯根膜組織の恒常性維持だけでなくセメント質再生にも何らかの役割をはたしている可能性があることが示唆された。 3. セメント質再生におけるマラッセ上皮の役割をより詳細に明らかにするため,歯根吸収からセメント質再生過程におけるマラッセ上皮の超微形態について検討を行った。歯根吸収過程におけるマラツセ上皮では超微形態が発生過程と類似した像が観察され,歯根吸収時に形態を変化させたマラッセ上皮が,その後のセメント質再生に関与する可能性があることが示唆された。 4. 歯根吸収時の破歯細胞と吸収窩歯根面の超微形態を観察し,その際のOPN,BSPの局在について免疫細胞化学的検討を行った。その結果,破歯細胞は破骨細胞と類似した形態であった。また,歯根吸収と骨吸収が同様のメカニズムで起こると推察される。歯根吸収直後のセメント質再生初期における基質蛋白の局在は骨組織のリモデリングとは異なるが明らかになった。
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