研究課題/領域番号 |
08457515
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
野口 俊英 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50014262)
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研究分担者 |
上田 信男 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30291769)
石原 裕一 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (50261011)
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キーワード | Actinobacillus actinomycetemcomitans / 莢膜多糖 / インターロイキン1 / インターロイキン1レセプターアンタゴニスト |
研究概要 |
申請者は、歯周病関連細菌であるActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)莢膜多糖の破骨細胞形成に関与する炎症性因子(今回特に、IL-1)をマウス骨髄細胞培養系を用いて検討した。A.a.莢膜多糖による破骨細胞分化誘導において炎症性サイトカインであるIL-1が関与しているか否かを調べるため、抗マウスIL-1αおよび抗マウスIL-1βをこの培養系に加え、A.a.莢膜多糖の破骨細胞形成に及ぼす影響を調べた。抗マウスIL-1αは、濃度依存的にA.a.莢膜多糖による破骨細胞形成を減少させてが、抗マウスIL-1βは何ら影響を及ぼすことはなかった。さらに、IL-1の活性を特異的に抑制する物質であるマウスIL-1レセプターアンタゴニストをマウス骨髄培養系に加え、影響を調べた。その結果、A.a.莢膜多糖による破骨細胞形成は濃度依存的に阻害された。 また、A.a.莢膜多糖でマウス骨髄細胞を刺激した際に培養上清中にIL-1が産生されている可能性を考え、IL-1依存性細胞株RPMI1788細胞を用いてIL-1量を測定した。リコンビナントのIL-1αをスタンダードとして用い、A.a.莢膜多糖で刺激したマウス骨髄細胞の培養上清を段階希釈することで、培養3日目、6日目および9日目のIL-1量を測定した。その結果、6日目、9日目の培養上清中に多量のIL-1が検出された。これに対し、未刺激の骨髄細胞培養上清中ではIL-1はほとんど検出されなかった。以上の結果から考えて、A.a.莢膜多糖における破骨細胞の形成にはIL-1がかなり関与していることが示唆された。
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