研究概要 |
研究代表者は、(1)粉末をより微細化し、処理して静電気の発生を極力抑え、液を低粘度化することによる粉液比の増加、(2)コンポジットレジン用の処理材の考えとは異なり光硬化型グラスアイオノマーに適した歯質処理材の開発、(3)高齢者の心理的、肉体的負担の軽減を図るための次回研磨策の科学的根拠の解明を目的として、当該研究を立案した。その結果、最終年度の本年度は以下の成果を得た。 1. 我が国とドイツのメーカーの協力を得、粉末量の増加を試みた結果、ある程度の成果を得た。すなわち、辺縁封鎖性(歯質窩洞辺縁部の間隙)、接着性(エナメル質や象牙質に対する接着強さ)、物性(曲げ強さ)を測定した結果、通常の粉液比型と比較して有意差がでる程度(t-Test,p<0.05)に改善された。2. 光硬化型グラスアイオノマーに適した歯質処理材の開発は、本年度も試みはしたが、期待したほどの成果が得られなかった。しかし、最近になって講座で開発した歯質との親和性の高いアミノ酸メタクリレートを、歯質処理材に配合してはどうかと考えた。すなわち、この処理材で歯質を処理することにより、モノマー成分の歯質浸透性が増すのではないかと考え、その結果、歯質接着性が改善して辺縁封鎖性が改善されると想像される。 3. 次回研磨策の科学的根拠の解明をまとめた論文の1報が外国誌に投稿し、受理され現在印刷中である。
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