研究概要 |
微生物学的検討 5種類の市販ティッシュコンディショナ-に銀ゼオライトを粉末重量に対して2wt%含有させた場合,コントロールとして銀ゼオライトを含有させない場合(positive control)およびプラスティックプレート(negative control)の3条件を設定し,銀ゼオライトによるティッシュコンディショナ-の抗菌性をStaphylococcus aureus, Pseudomnonas aeruginosa, Candida albicansの3菌に対し検討した結果,人工唾液浸漬なし,人工唾液浸漬1週間後および4週間後において持続的な抗菌性が存在することを確認した。 表在性銀動態の検討 銀ゼオライトを直接蒸留水および人工唾液の各溶液中に24時間保存した場合,ならびに銀ゼオライト添加ティッシュコンディショナ-を同様に溶液中に保存した場合の銀イオン溶出量について検討した結果,溶液中への銀イオン溶出量は極めて微量であったことから,銀ゼオライトを添加したディッシュコンディショナ-の抗菌性の発現には,表在性の銀イオンの動態が関与していることを示唆できた。 なお,表在性銀イオンの分布を測定するために,既設の高性能X線分光装置(Electronic spectroscopy for chemical analysis : ESCA)を用いる予定であったが,試料が材質的不安定であり測定中に損傷するために今回は見送ることとした。
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