研究概要 |
1)天然歯を植立した欠損歯列模型の作製 前年度に金型で作製したと同じ欠損部位をもつ歯列模型を人抜去歯を植立し作製した。上顎は欠損歯列模型,下顎はスプリント用の歯列模型を作製し,基本型と維持型のリテーナーデザインをそれぞれ支台歯上に形成した。 2)接着ブリッジの作製と支台歯への接着 形成した支台歯上で直接ワックスアップして接着ブリッジを作製した。なお,ポンティックは元の天然歯を陶材焼付で回復することを想定して,メタルフレームを陶材焼付用合金で作製した。このポンティックと金合金で作製したリテーナー部分とは前年度と同様のろう着法によって連結した。完成した接着ブリッジとスプリントは被着面をアルミナによってサンドブラストしたのち,金属接着プライマーを塗布して,接着性レジンにて支台歯に接着した。湿度100%の37゚C空気恒温槽内に3日間放置して常温時効硬化させた。 3)接着耐久性試験 接着ブリッジではポンティック中央部に10kgの繰り返し荷重を2万回与えたあと,オートグラフを用いて,ブリッジの鼓形空隙部に剥離力を加えて,支台歯からの最大剥離力を測定した。負荷に対して最大の抵抗を示したのは,咬合面の一部を被覆する維持型で,かつ臼歯部ブリッジであった。それに対して基本型の前歯ブリッジでは繰り返し負荷後には維持力は著しく低下した。常温時効硬化金合金の接着ブリッジへの応用が,予想されるほぼ全ての適応症に対して可能であるという結論を得た。
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