研究概要 |
【フィールドテスト専用分光光度計の作製】 フィールドテストでの使用を目的として、小型化を計った非接触型の分光光度計を作製した。 1.装置概要: 本装置はCCDカメラを応用した分光光度計であり、被測色体の画像を分光処理しながら取り込む機構となっている。画像取り込み時間は3秒であり、画像取り込み後に任意の範囲の分光データを得る事が可能である。照明条件は当講座開発の分光光度計CAS-IDlに準じ、ライトガイドを使用してハロゲンランプの45度照明0度受光とした。口腔内の歯の測色に際しては顎固定装置を使用し、X,Y,Zテーブルによりカメラの位置を調整する仕組みとした。 2.測色精度: 陶材サンプルの反復測式精度は色差0.5以内であり、測色値に対する外部照明の影響はその範囲内であった。歯の反復測色では色差1.0程度の精度が得られ、フィールドテストでの使用が可能であると判断する。 【CCMシステム用陶材の基礎データの作成】 1.本装置による測色値の変換ソフトの作成 本装置による測色値を当講座所有のCCM関連プログラム上で使用するための変換プログラムを作成した。これは基礎データ作成、目標色の測色〜CCM処方算出までの一連のCCM計算に対応させるためのものである。 2.吸収係数および散乱係数の算出 使用陶材としてエナメル3種、デンティン5種を用い、それぞれ0.3mmから2.5mmの範囲で6段階の厚さを設定し、黒バック、白バックによる分光測色を行った。その反射率を基に絶対法により各陶材の吸収係数および散乱係数を算出した。オペークに関しては8種類を使用し、相対法により吸収係数および散乱係数を算出した。 平成9年度は上記システムを完成させ、協力の得られる医療機関にてフィールドテストを実施する予定である。
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