研究概要 |
我々は口腔扁平上皮癌細胞へのCD80遺伝子導入あるいは抗腫瘍免疫増強サイトカインであるIL-12との併用においてin vitroにおける抗腫瘍CTL誘導効果について検討したので報告する。 口腔扁平上皮癌培養細胞株の抗腫瘍免疫反応に関わる細胞表面抗原をFACSにより解析した結果、ほとんどの細胞で十分なclassI,ICAM-1の発現を認めたが、CD80の発現は欠如していた。そこでこれらの腫瘍細胞にCD80遺伝子導入を試みた。遺伝子導入の方法としてはアデノウイルスベクターを用いた。細胞により差はあるが、高効率でCD80遺伝子導入をすることができた。さらに、CTL誘導を増強できるサイトカインであるIL-12存在下に初期培養し、その後、低濃度IL-2(20U/ml)を添加し、さらに培養を続けCTL誘導を試みた。alloリンパ球を使用した、口腔扁平上皮癌細胞では、CD80とIL-12の併用で始めて活性の増強を認めましたが、腫瘍特異的とは抗CD3抗体等の阻害実験から言いがたいものであった。現在autoリンパ球を用いて検討中である。
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