研究課題/領域番号 |
08457546
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (80026921)
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研究分担者 |
安田 真也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50263075)
横江 義彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30211650)
村上 元庸 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10157761)
楠元 貴司 京都大学, 医学研究科, 助手 (10301251)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | Helicobacter Pylori / 除菌療法 / 歯垢 / 唾液 / IgA / 経口免疫 / 口腔癌 / MALT lymphoma |
研究概要 |
Helicobacter Pylori(H.pylori)感染と口腔領域との関わり 最初にわれわれは口腔内におけるH.pyloriの存在について検討するため,口腔外科受診患者における歯垢ならびに唾液採取を行い、H.pyloriの存在をPCRにて検討した。その結果、年代に比例して口腔内に存在しており、40歳以上では5割近くの患者にH.pyloriの存在を確認した。そこで口腔内におけるH.pyloriが胃における再感染に関与しているかについて検討するため、H.pyloriに再感染した患者4例に対して再度除菌療法にプラークコントロールを併用し、H.pyloriの動態変化ならびにその患者の予後について検討した。その結果、除菌終了段階では4例中3例において歯垢あるいは唾液中にH.pyloriが存在していたものの、プラークコントロール施行後においては全症例陰性であった。胃の除菌についても、除菌療法+プラークコントロール終了から3ヶ月、半年、1年後のCLO検査においても陰性であった。以上より、H.pylori再感染患者に対して従来の除菌療法にプラークコントロールを併用する事が有効であることがわかった。今後再感染患者のみならず除菌療法を行う患者に対しても除菌療法前にプラークコントロールを併用する必要があると思われた。 一方H.pylori経口免疫の誘導・維持における唾液腺の役割についてマウスを用いて検討した。その結果,経口免疫前の唾液腺摘出群は経口免疫単独群、経口免疫後の唾液腺摘出群に比べて免疫効果が見られず、非免疫マウス群と同程度の菌量であった。また6か月後においては唾液腺摘出群では免疫前後の摘出に関係なく、著しく免疫効果が減少した。以上より唾液が経口免疫の誘導および維持に重要な役割を担っていることが判明した。口腔腫瘍とH.pyloriの関わりについて 口腔癌とH.pyloriの関わりについて免疫組織学的検討を加えた。1994年から1998年における歯肉癌を中心としたパラフィン包埋切片を用いて検討したところ、40例中3例においてH.pyloriの局在を確認した。また、口腔内に生じたMALT lymphomaについてもH.pyloriの存在について免疫学的検討を加えた結果、導管内にH.pyloriの存在が確認できた。今後その発症メカニズムについてさらなる検討が必要と思われた。
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