研究課題/領域番号 |
08457553
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
野口 誠 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50208328)
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研究分担者 |
井手 隆 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70274933)
関口 隆 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00240929)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 癌浸潤様式 / 核DNA量 / 7型コラーゲン / 血管新生因子 |
研究概要 |
・口腔扁平上皮癌の癌浸潤様式と細胞核DNA量との関連を検討した。細胞核DNA量は4倍体のDNA量をもつ細胞の割合(超4C率)を指標とした。各々の癌浸潤様式における超4C率は1型;4.8±4.4、2型;6.1±5.3、3型;13.7±11.6、4C型;15.3±12.7、4D型;20.8±14.1であり、浸潤性が強くなるに従って超4C率は高値を示した。この関係は非進展癌と進展癌に分けた検討でも同様であった。癌浸潤様式別に腫瘍長径と超4C率との関係をみると、3型は腫瘍長径の増大に伴い超4C率は高値を示し、長径25mm以上になるとその値は分散する傾向がみられた。4C型ならびに4D型では、症例間の超4C率の分散が著明であった。とくに、び慢性浸潤する4D型は腫瘍径の増大に伴い急速に超4C率が増加することが示唆された。これらのことは高度浸潤性癌では癌の成長に伴い核DNA量の異常をもつ細胞の増加が急速に進み、genetic instabilityが増強する可能性があると思われた。 口腔扁平上皮癌の発育先進部における7型コラーゲンの発現様式について検討した。細胞異型度が強くあるいは核分裂像の多い癌は7型コラーゲンの発現が認められないか、癌胞巣周囲にわずかに発現する程度であった。癌浸潤様式別にみると、4C,4D型の高度浸潤性癌では胞巣周囲の発現は、1-3型の癌にくらべ断裂、ひ薄化あるいは沈着、消失などの変化が多くみられる傾向であった。 癌浸潤様式とVEGFの発現は、高度浸潤性癌であってもVEGFの発現がみられない症例があり、現在までの研究では両者には一定の傾向がみられなかった。しかし、さらに多数例の検討が必要となるところである。
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