研究課題/領域番号 |
08457559
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
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研究分担者 |
山田 剛也 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00298358)
鶴迫 伸一 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60288305)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 関節鏡 / 顎関節 / 適応 / 効果 / 為害性 / 臨床的研究 / 基礎的研究 |
研究概要 |
顎関節疾患(習慣性顎関節脱臼、変形性顎関節症など)に対する関節鏡視下関節結節形成術の術後治癒経過、関節内合併症ならびに臨床的効果を明らかにする目的で、以下の基礎的、臨床的研究を行い、本術式の適応なおよび為害性について検討した。 (1) 基礎的研究;ヒツジ20顎関節を用いた鏡視下関節結節形成術で軟骨層のみ、ならびに軟骨下骨まで削除形成した2群において組織学的、組織化学的に検討した。この結果、両群ともほぼ同様の術後経過をたどり、術後2週目頃に結節骨髄の骨芽細胞の増加、表層軟骨欠損部周囲からの線維性組織の増生被覆傾向が始まり、3か月目まで継続してみられたが、軟骨欠損は一部残存した。両群の比較では軟骨下骨までの削除群がより良好な治癒を示した。なお4関節で円板穿孔がみられた。 (2) 臨床的研究;1)習慣性顎関節脱臼11例16関節に施行した診断的関節鏡視所見の検討では、関節結節部の膨隆所見と軟骨肥厚が特徴的で特に外側部で著明であった。この所見を基にMR画像を定量的に評価したところ同様の結果が得られ、本症の病因の一つと考えられた。2)習慣性顎関節脱臼11例16関節に施行した関節鏡視下結節形成術の検討では、2年後に再発した1例1関節を除く全例で良好な結果が得られ、術後の特別な機能訓練なく早期に治癒できた。 以上の結果より、習慣性顎関節脱臼に対する関節鏡視下結節形成術は、従来の関節解放下手術と同等の結果が得られ、また非侵襲的であることから早期回復が期待できる優れた治療法と考えられた.今後、変形性顎関節症に対する本術式の適応についての臨床的検討が必要と考えられる。
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